三菱地所がスマートホームサービスの提供を開始、東京都港区の新築マンションに導入：製品動向（1/2 ページ）
三菱地所は、さまざまなIoT機器をまとめて制御するスマートホームサービス「HOMETACT」を開発し、2021年10月末に提供を開始した。
三菱地所は2021年11月4日、東京都港区の新築賃貸マンション「ザ・パークハビオ 麻布十番」で、総合スマートホームサービス「HOMETACT（ホームタクト）」の記者発表会とザ・パークハビオ 麻布十番の内覧会を開催した。
会場では、三菱地所 住宅業務企画部長 細谷惣一郎氏と同部 主事 橘嘉宏氏が、HOMETACTを紹介した後、ザ・パークハビオ 麻布十番のモデルルームで、HOMETACTの実演と内覧会を行った。
61.3％がスマートホームを搭載した物件を評価すると回答
米国・ダラスに本社を構えるParks Associatesが2019年に日本と米国を対象にスマートホーム導入率を調査した結果によれば、日本は、米国と比べてスマートホームが普及していないが、2030年のスマートホーム市場は、2019年と比較し約10倍となり、全住戸の30％以上がスマートホームになる見込みだ。
一方、三菱地所が2020年に、同社が運営するレジデンスクラブの会員2988人を対象に行ったアンケート調査では、「（スマートホームは）物件選択時のポイントとして評価するか」という質問で全体の61.3％が「（分譲・賃貸を問わず）評価する」と答え、スマートホームのニーズが高いことが判明した。
三菱地所の細谷氏は、「国内では、スマートロックやIoT照明など、個々の機器を遠隔制御するサービスは増えてきているが、さまざまな機器を連携するサービスが無く、各機器の一括制御が困難な他、現在存在しているスマートホームサービスはコールセンターが無いものが多い。さらに、多様なIoT製品をコントロールするHEMSは設置と設定が難しく、導入ハードルが高いと一般消費者から聞く」と話す。
上記の問題を解決するために、三菱地所は、米国のIoTプラットフォーム提供会社であるYONOMIと共同でHOMETACTを開発し、ザ・パークハビオ 麻布十番の全住戸に導入した。HOMETACTは、専用アプリや管理ポータル「TACTBASE」、設置・設定サービス、コールセンター「アプリサポートデスク」、駆け付けサービスで構成され、専用アプリとスマートスピーカーで、エアコンやテレビ、照明、カーテン、ロボット掃除機といったIoT機器をコントロールできる。
具体的には、IoT機器を制御する機能として「マイシーン」と「マイルール」を備えている。マイシーンでは、専用アプリ上で、任意の場面に合わせて、IoT機器のON／OFFを設定可能。一例を挙げると、専用アプリ上にあるアイコン「おはよう」で、起動するIoT機器をあらかじめ設定すれば、「おはよう」のアイコンをタッチすると、指定したIoT機器をまとめて稼働させられ、ユーザーの目覚めと朝の活動をサポートする。
加えて、スマートスピーカーを組み合わせれば、マイシーンの設定に合わせて、各IoT機器を声で操れ、音楽を流すことや天気予報の確認も行える。なお、マイシーン用のアイコンで使える12種のプリセットピクチャーを用意している。
三菱地所の橘氏は、「専用アプリは、使用しやすいインタフェースを搭載しており、マイシーンを設定すると、画面の上部にショートカットアイコンで表示される。さらに、スマートロックの施解錠操作はスライド方式を採用し、スピーディーに使えるように各ウィジェットにはショートカットボタンを設けた」と述べた。
続けて、「HOMETACTは、サービス利用開始時の初期設定作業は不要で、HOM今回のサービスを導入した物件に入居するユーザーに提供されるIDとパスワードで専用アプリにログインできる。入居者が持ち込んだロボット掃除機や照明がHOMETACTに対応していれば接続させられる」と補足した。
現在、HOMETACTが対応するIoT機器は、Google Nestのスマートスピーカーとスマートディスプレイ、ライナフ製のスマートエントランス「Ninja Entrance」とスマートロック「Ninja Lock」、リンナイ製の給湯コントローラー、LiveSmart製の赤外線コントローラー、LifeSmart製のスマートスイッチ、SOMFY製のスマートカーテン、iRobot製のロボット掃除機、Sonos製の音楽スピーカー、Philips製のスマートライト「Philips Hue」。
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