感染リスクを評価して換気方法の改善案も提案する「magickiri Planning」、“柏の葉スマートシティー”に導入:withコロナ
三井不動産と、落合陽一氏が共同代表を務めるピクシーダストテクノロジーズは、公・民・学の連携による次世代スマートシティーを目指す柏の葉スマートシティーの商業施設で、エアロゾル感染リスクを評価し、換気方法や店内レイアウトの改善案も立案するソリューション「magickiri Planning」を導入した。
三井不動産とピクシーダストテクノロジーズは、新型コロナウイルス感染症対策として、三井不動産が開発を進める柏の葉スマートシティーエリアの複数施設で、ピクシーダストテクノロジーズ独自の感染症対策BCPソリューション「magickiri Planning(マジキリ プランニング)」を導入したと2021年10月1日に公表した。
magickiri Planningの導入施設は、柏の葉スマートシティーの「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」と「柏の葉かけだし横丁」で、エアロゾル感染リスクを評価するmagickiri Planningを採用し、各施設の空間で感染リスクを可視化するとともに改善施策の検討を行った。とくに、飲食店舗が20店舗存在する柏の葉かけだし横丁では、店舗を標準化し、「柏の葉かけだし横丁モデル」として改善レイアウトを検討した。
改善施策を実施したテナントには認定証の発行も予定
改善施策は、magickiri Planningを通じて、各施設内のエアロゾル感染リスクを評価した後に立案。各施設で既に実施されている接触感染対策や飛沫感染対策に加え、エアロゾル感染にも考慮した対策を実装することで、より安全性の高い空間・環境を構築することにつながっている。
今回の取り組みのなかでは、ピクシーダストテクノロジーズ初の試みとして、改善施策の実装などの必要な条件を充足した施設に対して認定証を発行する予定。認定証は、当該施設が感染を広げないための適切な対策を実装していることを示し、認定証を施設の入り口などに掲示し、利用者に対してより高い安全対策を実施していることを可視化することが可能になる。
新型コロナウイルスの感染ルートには、接触感染、飛沫感染、そしてエアロゾル感染が指摘されている。接触感染や飛沫感染の対策に加えて、世界保健機関(WHO)、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などが公表している通り、エアロゾル感染は、感染ルートの主たる経路の1つとして、対策を講じることが重要とされている。
magickiri Planningは、こうした社会的背景を踏まえ、2020年11月より提供を開始したエアロゾル感染に対する新たな解決策をご提案するサービス。北里大学医学部 武藤剛氏(千葉大学予防医学センター併任)と連携をして、過去のクラスタ事例を基に感染症リスク度の判断基準を策定し、それに基づく科学的見地からのリスク評価を実施。さらに、感染リスクを抑えるために、換気口や排気口、座席や間仕切りの配置や換気設備などの改善策も提案している。
三井不動産とピクシーダストテクノロジーズは、magickiri Planningによる空気の流れの可視化、感染症安全性の評価、改善策の立案、認定証の発行という一連の取り組みを通じて、安全安心に過ごせる環境を整備していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Hitachi Social Innovation Forum 2020 TOKYO ONLINE:日立のDXでもっと楽に確実に!ニューノーマルに順応するビル管理業務とは?
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ビル管理業務にも3密回避や非接触のサービス、柔軟な働き方など、“ニューノーマル(新常態)時代”に即した変革が迫られている。エレベーターやエスカレーターの販売・保守を主力事業とする日立ビルシステムでは、こうしたビル管理の変化に、独自のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を中心に据えたDX戦略で、ビル利用者やビルオーナー、ビル管理者向けに、withコロナ、自然災害、働き方の3つの課題を解消するサービスを展開している。 - withコロナ:新型コロナの陰性証明やワクチン接種履歴を“指をかざすだけでヘルス認証”、鹿島らが共同実証
鹿島建設、日立製作所、H.U.グループホールディングス、九州大学、電通は、新型コロナウイルスの陰性証明やワクチン接種履歴を公開型生体認証技術PBIを用いて手ぶらで、オフィスビルや建設現場の入場ゲートで提示できる新たなデジタルヘルス証明の実現に向けた実証を開始した。既に、鹿島建設のオフィスビルで技術実証を行い、個人情報保護に配慮した利便性の高い認証技術として、技術面と運用面での有効性が確認されている。 - 産業動向:マンション共用部を15万円/m2でコワーキング化、シミズ・ビルライフケアが新規事業
シミズ・ビルライフケアは、withコロナ/afterコロナ時代のニューノーマルを見据えた働き方改革へのニーズに応えるべく、マンションでデッドスペースとなっていることが多い“共用部”をコワーキングスペース化する新規事業に乗り出した。今後は、大規模マンションを中心に、改修工事の計画時に、共用部のコワーキングスペース化を提案していく。 - withコロナ:ニューノーマルに対応したバーチャルモデルハウスを公開、三菱地所ホーム
三菱地所ホームは、コロナ禍によって変化した暮らし方と住まいへのニーズに応えるバーチャルモデルハウス「風通しの良い家」を2021年4月27日に同社のホームページ上で公開した。風通しの良い家は、働き方改革で注目されるフリーアドレスの考え方を取り入れた戸建て住宅で、ゾーニングの工夫により、快適に仕事や家事が行いやすい居室空間だ。 - CAD:オンライン商談に対応した住宅プレゼンソフト「ARCHITREND Modelio」、最新版を4月発売
福井コンピュータアーキテクトは、住宅プレゼンソフト「ARCHITREND Modelio」の最新バージョンをCGレンダリングオプションと併せて、2021年4月21日に同時発売する。 - 第5回 住宅・ビル・施設Week:抗菌の素材から開発、ヤマダ電機グループの住宅メーカーがwithコロナの住まいを提案
ヤマダホームズは、ヤマダホールディングスの一員として、災害に強い設備を備え、健康に留意したスマートハウスの実現を目指している。コロナ禍にあっても、抗菌・抗ウイルスの素材や部材の開発、24時間の換気システム、ウイルスを居住スペースに持ち込まない導線設計など、各種の対策を用意している。