抗菌の素材から開発、ヤマダ電機グループの住宅メーカーがwithコロナの住まいを提案:第5回 住宅・ビル・施設Week(1/2 ページ)
ヤマダホームズは、ヤマダホールディングスの一員として、災害に強い設備を備え、健康に留意したスマートハウスの実現を目指している。コロナ禍にあっても、抗菌・抗ウイルスの素材や部材の開発、24時間の換気システム、ウイルスを居住スペースに持ち込まない導線設計など、各種の対策を用意している。
ヤマダホームズの松本英樹社長は、「第5回 住宅・ビル・施設Week」(2020年12月2〜4日、東京ビッグサイト)で、ヤマダホームズが考えるwithコロナ・抗菌、アフターコロナの住まいをテーマにした特別講演を行った。
ヤマダホームズが属するヤマダホールディングスは、“暮らし”に関する多様な分野にサービスを提供する取り組みを進めている。対象は、家電はもとより、家具・インテリア、保険・金融などにも広範に及ぶ。
グループ中で住宅分野を手掛けるヤマダホームズは、災害に強く省エネ性能が高いスマートハウスの実現に向け、太陽光発電や蓄電システムの他、空気から水を作る装置など各種の商品と施策を用意している。今回の講演では、これらに加え、コロナ禍に対して同社がどのような取り組みを行っているのかを紹介した。
ヤマダホームズの目指すスマートハウス
ヤマダホームズは、1951年(昭和26年)に設立された住宅メーカーだ。長い歴史の中では、複数回の社名変更や業務提携・合併などを経験した。現在はヤマダホールディングスの一員として、高級注文住宅から普及帯のスマートハウスまで、幅広いラインアップを持つメーカーとして活動している。
ヤマダホームズが家電量販店のヤマダ電機を主体とするグループということもあり、ヤマダホームズは最新のテクノロジーを活用した商品・サービスへの対応が早いことをウリにしている。現在は、太陽光発電やAIオフグリッドシステム蓄電池に力を入れて取り組んでいるという。AIオフグリッドシステムは、電力会社の送電線と切り離された状態でも、生活に必要な電力を約2日間供給する(GTI-16の場合)。
これらは、地球環境を悪化させないエコ製品として、ここ最近注目されている。また、空気から水を作る製水器と合わせ、災害に強くエコなスマートハウスの実現に役立つ。
松本氏は、スマートハウスに対して太陽光発電やオフグリッド蓄電池、製水器などを標準仕様とすべく、顧客に対する啓発活動を行っていることを説明した。
抗菌・抗ウイルスに向けた取り組み
ヤマダホームズは、コロナ禍に対応した住まいや生活に向けた技術や商品の開発も手掛けている。
講演では、抗菌・抗ウイルスの素材として、光触媒が持つ効果に着目した製品の開発を進めていることを紹介した。
光触媒の部材は、もともとウイルスが付着しづらく、付着しても固定化されにくいという特性がある。また紫外線による酸化還元反応によって、ウイルスや細菌のような有害物質を分解・除去する働きも説明。
ヤマダホームズでは、照明などの可視光でも機能する光触媒の素材を床のフローリングや壁紙に標準設置するにはどうすれば最適かを検討している。
ただ、このようなフローリングや壁のクロスは、外から室内に取り込まれる空気中の菌やウイルスには効果がない。そこでヤマダホームズでは、光触媒のフィルターを使った24時間換気システムの開発に着手した。
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