マンション共用部を15万円/m2でコワーキング化、シミズ・ビルライフケアが新規事業:産業動向
シミズ・ビルライフケアは、withコロナ/afterコロナ時代のニューノーマルを見据えた働き方改革へのニーズに応えるべく、マンションでデッドスペースとなっていることが多い“共用部”をコワーキングスペース化する新規事業に乗り出した。今後は、大規模マンションを中心に、改修工事の計画時に、共用部のコワーキングスペース化を提案していく。
清水建設100%子会社のシミズ・ビルライフケアは、既存マンションの共用部を居住者専用のコワーキングスペースとして整備する新たな事業を展開すると2021年5月末に発表した。
15万円/m2で通信環境も含めコワーキングスペース化
コワーキングとは、「Co(共に)」と「working(働く)」という2つの言葉から成る造語で、勤務先などが異なる利用者が自分の仕事をしながら人的交流を図るなかで、スキルや経験を共有しあい、助け合うような働き方を指す。こうした働き方を実現するための執務空間がコワーキングスペースであり、設(しつら)えは、間仕切りの無いフリーアドレスの共用オフィスとなる。
国内では、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、在宅勤務が推奨されている。一方、在宅勤務では、情報通信環境をはじめ、出社時と同等の執務環境を確保するのが難しく、環境が整ったテレワークスペースに対する需要が高まっている。
また、大都市周辺に建設された多くの大規模マンションでは、共用部として設けたコミュニティースペースが居住者の生活形態の変化に伴い、使われない空間となっており、その有効活用が課題とされている。
そこで、シミズ・ビルライフケアは、大規模マンションの共用部を居住者専用のコワーキングスペースに整備することに着眼。コワーキング化するスペースは、60平方メートル以上の共用部を想定し、個としての仕事ができるオープンカウンター、複数人での仕事や休息に使うブレイキングテーブル、会議ブース、オフィス家具、通信設備などを1平方メートルあたり約15万円程度で整備することができるとしている。
コワーキング化事業の第1弾としては、清水建設が江東区で開発した1988年竣工の超高層マンションを対象に、合計10席分で約120平方メートルの整備工事を2022年度に着手する。コワーキング化によって居住者に時間と場所に捉われない柔軟な執務環境を提供するとともに、建物の付加価値の向上にも寄与すると位置付けている。
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