「上期の建設市場は全月で前年同月を上回る、下期は民間工事も復調か」建設HRレポート:建設業の人材動向レポート(36)(3/3 ページ)
本連載では、建設HR 編集部(旧ヒューマンタッチ総研)が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、国土交通省の「建設総合統計」と「建設工事受注動態統計調査」を基礎資料に、2021年上半期の市場動向と下半期の予測について考察している。
4月以降、元請け受注高は大幅に増加
中期的な市場動向を探るために上半期の元請け受注高の推移をみると、2月は前年同月比9.1%減と大幅に減少したが、受注額の大きい3月については同2.4%増の10兆244億円となり、4月は同4.8%増、5月は同21.7%増、6月は同16.1%増と大幅に増加している。
5〜6月に民間からの受注が大幅に増加
元請け受注高について、民間などまたは公共機関からの受注別にみると、公共機関からの受注が4月以降は堅調に推移したのに対し、民間などからの受注高は大幅に増加している。6月の受注高は、公共からが前年同月比7.9%増の2兆2311億円に対して、民間などからの受注高は同20.8%増の4兆3117億円となっており、民間の建設投資が復調していることが鮮明となっている。
まとめ
コロナ禍が依然として続くなかで、建設業の売上高に当たる出来高は2021年1月から6月までの全月で前年同月を上回り、建設市場は好調に推移している。下半期についても6月末の手持ち工事高は民間工事が前年同月比3.9%増、公共が同10.0%増となっており、公共工事を中心に堅調に推移しそうである。また、元請け受注高について、民間からの受注高は5月が前年同月比23.5%増、6月が同20.8%増と大幅に前年を上回っており、今後は国土強靭化計画などにより堅調に推移する公共工事に加えて、民間の建設投資も回復することで好調な市況が続くのではないかと考えられる
著者Profile
建設HR
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同編集部では、建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析に関する独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信も行っている。
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