建設業の給与動向「コロナの影響は前年度比0.7%の微減、給与額の上昇率は“飛びぬけて高い”」:産業動向(1/2 ページ)
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年6月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」のデータから、2020年度の建設業での給与動向を分析している。
ヒューマンリソシアが運営する建設人材向けWebサイト「建設HR(旧ヒューマンタッチ総研)」は2021年6月30日、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「建設HR〜Monthly Report 2021年6月」をリリースした。
今月のトピックスでは、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」のデータをもとに、2020年度における建設業の給与動向について紹介している。
■コロナ禍でも建設業の給与は微減にとどまる
業分野別に2020年度における一般労働者の1人当たり月平均の現金給与額をみると、調査産業計で41万6570円(前年度比増減率2.1%減)となり、新型コロナウイルス感染症拡大の打撃が鮮明に表れている(図表1)。給与額が減少するのは2011年度以来、8年ぶりのこととなる。
最も減少率が高かったのは、「飲食サービス業など」で前年度比9.1%減、次いで「運輸業」「郵便業」が同6.4%減、「生活関連サービス業」が同4.5%減となっており、緊急事態宣言による外出自粛の影響を受けやすい業種で大幅な減少となった。「建設業」については、給与額は43万3010円(同0.7%減)と微減にとどまっており、給与額においても「製造業」の41万7711円を上回る水準となっている。
■建設業の給与額の伸び率は飛びぬけて高い
建設業、製造業、調査産業計の給与額の推移について、2012年度を100とする指数でみると、建設業は大幅な上昇傾向が続き、2020年度には114に達している。一方、製造業は2020年度で102、調査産業計は103にとどまっており、近年における建設業の給与額の上昇率は飛びぬけて高いことが分かる。4月の建設業の新規求人数は、前年同月比の増減率は18.3%増で、5カ月連続の増加となっており、今後も好調な堅調な市場環境を背景に給与も底堅く推移するのではないかと考えられる。
建設業就業者数は499万人で減少、新規求人数は7万9275人で増加
建設業界の人材動向では、2021年4月の建設業就業者数は498万人(前年同月比101.4%)、雇用者数は406万人(同101.2%)でともに先月の減少から増加に転じた。
一方、公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は7万5339人(同118.3%)と5カ月連続の増加となった。
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