抗ウイルス・抗菌・消臭の機能を備えた壁面材を発売、アイカ工業:新建材
アイカ工業は、「抗ウイルス」「抗菌」「消臭」の機能を備えた壁面材「セラールウイルテクトPlus」とメラミン化粧板「アイカウイルテクトPlus」を開発した。同社では、ウイルテクトPlusシリーズの年間販売目標として15億円を掲げている。
アイカ工業は、学校、商業施設、駅、公共施設のトイレや医療・福祉施設でニーズが高い「抗ウイルス」「抗菌」「消臭」の機能を備えた壁面材「セラールウイルテクトPlus」を2021年8月17日に発売した。
さらに、家具・什器(じゅうき)用として、セラールウイルテクトPlusと同等の性能を持つメラミン化粧板「アイカウイルテクトPlus」を同年10月1日に販売開始することを2021年7月13日に発表した。
抗ウイルスと抗菌の機能でともに99%以上の効果を確認
国内では近年、新型コロナウイルス感染症の流行により国民の衛生意識が高まる中、建材でも抗ウイルス・抗菌性能に対するニーズが増えている。こういった需要を受けて、アイカ工業の主力商品であるメラミン化粧板に抗ウイルス・抗菌性能を付加した建材「ウイルテクト」シリーズは、医療・福祉施設や育児・教育施設、商業施設、住宅など、多くの建物で採用されている。
しかし、医療・介護施設や不特定多数の人が利用するトイレなどでは、ニオイが施設全体の印象に悪影響を及ぼす可能性があり、以前から消臭性能に対する強いニーズがあったが、ウイルテクトシリーズでは対応が困難だった。また、2014年に同社が発売した消臭性能を持つ壁面材「セラール消臭タイプ」は、学校、駅、公共施設などのトイレや医療・福祉施設で導入数を伸ばしていたが、利用者の一部には、コロナ禍となり抗ウイルス性能を優先して消臭機能を諦め、ウイルテクトを選定する人も存在した。
そこで、アイカ工業は、抗ウイルス、抗菌、消臭の性能を持つ壁面材のセラールウイルテクトPlusとメラミン化粧板のアイカウイルテクトPlusを開発した。ユーザーは、壁面にセラールウイルテクトPlusを使用し、トイレブースや家具、建具にアイカウイルテクトPlusを活用することで、抗ウイルス、抗菌、消臭の性能を併せ持つ空間づくりができる。
セラールウイルテクトPlusとアイカウイルテクトPlusの性能を確かめるためにアイカ工業が行った試験では、抗ウイルスと抗菌の機能でともに99%以上の効果が確認されている。さらに、硫化水素やアンモニアなど、不快臭の原因となる物質の低減にも有効だと判明した。
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