抗ウイルス・抗菌加工の建装材が24時間後に新型コロナを99%減少、凸版印刷:COVID-19
凸版印刷は、抗ウイルスと抗菌の機能を付与した建具や床材などのオレフィン製化粧シートを対象に、抗ウイルス性能評価試験を行い、新型コロナウイルスが24時間後に99%以上減少することを確認した。
凸版印刷は2021年4月28日、壁や床などに使用する「抗ウイルス・抗菌対応オレフィン化粧シート」で、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)を試験株に用いた抗ウイルス性能評価試験を行い、ウイルス数の大幅な減少を確認したと公表した。
24時間後に新型コロナウイルスが99%減少
対象の建材は、オレフィン系(非塩ビ)素材を採用した建具・収納扉・造作材などの化粧シート「101 ECO SHEET(エコシート)」と床用化粧シート「101 REPREA(レプリア)」のラインアップのうち、表面に抗ウイルスと抗菌の性能を有する特殊コーティングを施し、2020年9月から製造・販売している「抗ウイルス・抗菌化粧シート」。2020年9月1日には、抗菌剤・防カビ剤や抗菌・防カビ加工製品のメーカー、抗菌試験機関から成るSIAA(抗菌製品技術協議会)のJIS規格に準じた認証を取得している。
抗ウイルス性能の評価試験は、日本繊維製品品質技術センター(QTEC)に委託して実施した。プラスチック製品やセラミック製品など、非浸透性表面の抗ウイルス効果を評価する規格「ISO 21702」に基づき、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2:Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)を試験株に用いて、時間経過でウイルス粒子数の変化を調べた。その結果、接種直後と比較すると、24時間後に感染性ウイルス粒子が、99%以上減少していることが判明した。
具体的な試験方法は、オレフィン製化粧シートの表面に、新型コロナウイルス懸濁液を滴下し、その上にフィルムを密着させ、25度で24時間静置。その後、シートから液を洗い出し、感染性ウイルス粒子の数を測定した。試験結果では、感染性ウイルス粒子数が、接種直後を100とした相対値評価で、24時間後に0.26にまで下がったという。
凸版印刷は、建具や床材、壁材、什器(机・家具)などの表面に使用される化粧シートの高機能化を推進し、住宅市場をはじめオフィス、商業施設、医療施設、公共施設などにも展開。国内だけでなく海外市場にも積極的に拡販を進め、2022年度には関連受注も含め、約700億円の売上を目指している。
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