リノベマンションの設計図をVR化、施主との合意形成に活用:建設×VR/AR/MR
フリーダムアーキテクツデザインは、リノベマンションの設計段階の内部をVR(ヴァーチャルリアリティー)技術を使って、自由に歩くことができるVRサービスを開始した。図面の中を「自由に歩く」ことで、平面図では分かりづらい奥行感や天井高がリアルに確認できるため、発注者と設計者の合意形成に役立つ。
フリーダムアーキテクツデザインは、注文住宅の設計図面を3Dモデルで作成し、モデル内部をVR(ヴァーチャルリアリティー)技術を使って自由に歩くことができる“VRアーキテクツシステム”を、中古マンションのフルリノベーション事業「REDESIGN(リデザイン)」に導入して、2018年10月よりサービスを開始した。
フルリノベーションのマンション内観をVRで施主にプレゼン
注文住宅の多くはゼロベースから設計するため、2次元の図面やCGパースだけでは、設計者が提案する完成イメージが施主に伝わりにくい。このハードルを解消するため、フリーダムアーキテクツデザインは2017年2月より、最初は戸建て注文住宅の設計を対象に、VR技術で図面の中を自由に歩けるVRサービス“VRアーキテクツシステム”をスタート。今回、中古マンションのフルリノベーションも、範ちゅうに加えた。
VRアーキテクツシステムは、Autodesk社のBIMソフトウェア「Revit」、クラウドサービス「Autodesk LIVE」、3Dゲームエンジン「Autodesk Stingray」、コントローラー付属のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)「HTC Vive」で構成。
通常の家づくりの様に、まず施主の要望をヒアリングし、Revitで作成するBIMモデルに反映させ、VRデータに変換。施主は、HMDを装着し、自分の目線で仮想空間の間取りや内観などを確認することで、完成後のイメージが容易につかめる。家具やインテリアもモデル内で具体的に再現されるため、ソファやTVなどの家具の配置、壁材と空間のマッチングなども、モデル内で確認することが可能。発注者のニーズをよろ具体的に設計に反映させることで、両者の合意形成が図れる。
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