遠隔地で建設機械の全方位を見渡せるシステムとインフラ設備の情報を集約するクラウド:メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2021(3/3 ページ)
沖電気工業は、現場や遠隔地で建設機械の全方位を見渡せるリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」やさまざまなセンサーで取得したインフラ設備のデータを集約するクラウド「インフラモニタリングプラットフォーム」を開発した。
高周波数帯の音も分析可能
AI2100は、ディープラーニングの推論環境を提供するインテル製「OpenVINO ツールキット」とAIアクセラレーター「インテル Movidius Myriad X VPU」を搭載しており、収集したデータを本体のAIで処理し、クラウドとの連携も可能。
クラウドとの連携機能は、Microsoftの「Microsoft Azure IoT Edge認定」とAmazon Web Serviceの「AWS IoT Greengrassデバイス認定」を取得しているため、クラウドで作成された学習済みのAIモデルをAE2100で使える。さらに、各種センサーを収容する豊富なインタフェースを備えられる他、LTEや無線LAN、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」にも対応している。
OKIでは、AE2100用のツールとして、インフラ設備向け異常検知システムのForeWave for AE2100を開発した。ForeWave for AE2100は、専用ツールや専用ソフト「運用支援キット」、モニターで構成され、インフラ設備の故障初期に発生しやすい振動や音をセンサーで取得しリアルタイムにAI解析し、高周波数帯のデータでも分析して、異常を検出する。
使用に当たっては、運用支援キットもしくはOKIの判別モデル生成サービスをPCで使用し、教師データとなる情報を基に、インフラ設備が正常か異常を判定するための音と振動の判別モデルを作る。
専用ツールでは、インフラ設備の動作パターンが多く全てのデータを収集することが難しい場合や判別モデル作成で必要な情報が少ないケースでも判別モデルを作れる「簡易学習モード」と「追加学習モード」を実装している。そして、センサーで得られた設備の振動と音をグラフ化し、設備の過去と現状をスコアで表示する。
920MHz帯マルチホップ無線「Smart Hop」を搭載
ゼロエナジーゲートウェイは、ソーラーパネルが取り付けられており、太陽光発電に応じ、電源と通信の工事が不要で、ラインアップは、通信機能のみ持つ「単体型」や真下の水位を測れる「超音波水位径付き」と「水圧式水位計付き」の3種類を用意している。各タイプは、920MHz帯マルチホップ無線「Smart Hop」を搭載し、互いに中継して、広範囲に無線伝送を行え、LTE通信にも対応している。
加えて、電池駆動の無線加速度センサーユニットで取得したインフラ構造物の加速度、傾き、固有振動数のデータを収集し、LTE通信で専用クラウドのインフラモニタリングプラットフォームに集約する。
インフラモニタリングプラットフォームでは、ゼロエナジーゲートウェイの水位計や無線加速度センサーユニットで感知したデータをリアルタイムにダッシュボードで表示し、インフラの維持管理業務に必須な対象物の2Dと3Dの図面や地図も映せ、しきい値を設定して、それを超えた場合にアラートを発報させることも可能だ。加えて、過去のデータを振り返れ、各データをまとめてCSV出力することにも応じている。
OKIの担当者は、「インフラモニタリングプラットフォームでは、さまざまなセンサーでセンシングした情報の保存に対応しており、AE2100とForeWave for AE2100により取得したインフラ設備の振動と音のデータを受信し、モニタリングすることもできる」と話す。
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