建設現場で危険予知にAI活用、IoTセンサーとAzureを組み合わせたエッジ画像処理の実証実験を開始
協和エクシオは、自社のIoTセンサーと、Microsoft Azure IoT Edgeを活用した「Vision AI Developer Kit」を組み合わせた実証実験を開始した。これまでAIを導入することが難しいとされてきた建設現場やビルなどに適用し、IoTセンサーと組み合わせたエッジ画像処理で、現場の危険予知や施設の防犯などに役立てていく。
協和エクシオは、クラウド総合エンジニアリング分野の強化を目的に、Microsoft Azure IoT Edge を活用した「Vision AI Developer Kit」と自社のIoT・センサーソリューションを組み合わせた実証実験を開始する。
従来AIの活用が困難だった現場でもエッジ処理による顔認証が可能に
近年、商業施設や鉄道など、さまざまな施設で防犯カメラの新設や増設が進んでいるが、警備員が24時間体制で監視し、膨大な監視映像を目視確認することは困難で、監視業務の高度化や効率化が求められている。また、膨大な監視映像を処理するためには、安定した通信と高度なシステムが必要となり、高いコストや導入スピードもハードルとなっている。
そこで協和エクシオは、エッジコンピューティングが可能なカメラを利用し、通信インフラで培ってきた技術を用いて、これらの課題解決のための実証実験に着手する。
実験では、建物施設のエントランスなどに「Vision AI Developer Kit」と「フラッド型メッシュネットワーク(商品名:EXBeacon プラットフォーム)」を設置し、カメラの画像から、顔・身体を解析。利用者が持つビーコン発信機能を持ったBLEタグによる認証を補完的に組み合わせ、ゲート管理や認証を実施し、その有効性や安全性などの効果測定を行う。
このシステムでは、ネットワーク端末でのAIによるエッジ画像処理を実現し、従来AIの活用が困難だった防犯/危険予知のリアルタイム処理が必要な場所やネットワーク環境が不安定な現場、さらに映像をクラウドに格納できないエリアでもAI活用が可能となる。具体的には、建設現場をはじめ、ビルや工場などの社会インフラに展開し、安全性、防犯性、効率化の向上に対する貢献を想定している。
実証実験で導入する「Vision AI Developer Kit」は、マイクロソフトのクラウド「Microsoft Azure」上で展開されるAIやカスタムロジックをネットワークの端末で実行可能にするサービス「Azure Machine Learning」と、「Azure IoT Edge」を組み合わせ、IoTのシナリオで使われるカメラの開発に必要なハードウェアとソフトウェアを提供するキットで、マイクロソフトが米・Qualcomm(クアルコム)社と共同開発したもの。
協和エクシオでは今後の取り組みについて、実証実験の結果を踏まえ、工場や建設現場、社会インフラなど実ビジネスへの適用を検討し、速やかに新しいソリューション提供を進めていくとしている。スケジュールとしては、2019年1月末までにシステム構築を行い、同年2〜3月末の間に実証実験、翌4月以降にPoCの販売を開始する。サービスに関する相談などは、1月以降より随時受け付ける予定だ。
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