ドローンでインフラを3Dモデル化、不具合箇所をAIが解析(1/2 ページ)
NTTコムウェアがインフラ設備点検向けのドローンソリューションを発表。ドローンで撮影した画像を3Dモデル化し、このデータをAIが分析することで、インフラ点検業務を効率化するという。
NTTコムウェアは、「通信インフラのメンテナンスサイクル革新に向けた取り組み」として、各種新サービスの拡充を進めている。このほどその一環としてインフラ設備点検向けとして「ドローン/AI/MR(Mixed Reality)活用によるスマートメンテナンスソリューション」の提供を開始すると発表した。
同社はNTTグループが、通信事業からB2B2X事業への転換を図る中で「ビジネスインテグレータとして、ビジネスとビジネスをデジタル技術でつなぐという役割があり、そして多様なパートナーとの協創を目指している」(黒岩真人副社長)という。さらに「当社の強みである、ビジネスの源泉となるデータを収集し、活用するデータマネージメント技術。ビジネスを駆動させるアプリケーション開発における最適な部品を組み合わせで物を作る知力。そして、変化にアジャイルに対応できるモノづくりの力などを、NTTアセットを活用したAIなどの先進技術を組み合わせることで、顧客に対して、新たなビジネス価値を提供する」(黒岩副社長)方針だ。
こうした方向性に沿った新サービスの一つとして、現在、AI・ドローン・MR(Mixed Reality)といった最新技術を駆使し、デジタルトランスフォーメーションを進めることで、通信インフラのメンテナンスサイクルを革新するための取り組みを検討、推進している。
このうち今回は、通信設備など社会インフラの保守点検業務の効率化に向け、ドローンやパイロット・撮影データなどドローンを活用する際に必要となる情報を一元的に管理するソリューション「ドロポ」および、ドローンなどによる撮影画像を元に3Dモデルを構築することで、デジタル空間上での直感的な目視点検・診断・記録を実現する「KnowledgeMap 4D」を開発。ドロポは2018年度内、KnowledgeMap 4Dは同年度末をめどに提供を開始する。
ドロポはドローンやパイロット、撮影データなどドローンを導入・活用する際に必要となる情報を一元管理するポータルシステムで、ドローンやパイロット、フライトや撮影データの管理など、業務にドローンを導入する場合に必要となる計画や管理といった附帯業務を支援し、ドローンを活用した業務効率化への貢献を目指す。
KnowledgeMap4Dは、ドローン航行による写真撮影、センサーデータなど取得した情報を元にデジタル空間上で簡易目視点検・診断の実現を目指し開発したのもので、SfM(Structure from Motion)技術により、撮影した写真から3Dモデルを生成し、点検対象の劣化状況を写真と3Dモデルで直感的に把握、管理することが可能だ。
写真上に不具合点検・登録・報告業務ができるアノテーションツールを具備しており、同じ通信インフラの過去に撮影した写真を時系列で管理することで、経年劣化状況の把握が可能だ。熟練者がサビやはがれなどの不具合の種類と、劣化度合いを写真上に登録することでノウハウが反映された点検・診断結果が蓄積される。この蓄積データを用いて、同社の画像認識AI「Deeptector」に教師データとして繰り返し学習させることにより、不具合箇所の自動検知・解析ができるようになる。さらにレベル判定の均一化や見逃しの防止など点検業務に役立てることができる。
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