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コロナ禍だからこそ、オフィスやニューノーマル対応など新たな“FM戦略”をファシリティマネジメント フォーラム 2021(3/3 ページ)

コロナ禍によって、テレワークの普及や働く場所の在り方といった社会基盤に変革が起きている。しかし、社会変化に対して、PDCAサイクルで柔軟な対応力を備えるファシリティマネジメント(FM)を活用することで、より良い働く環境や持続可能な開発目標を実現し、ビルやオフィスの資産価値を向上させる機会にもなり得るという。

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第三者認証で、安全安心なオフィスを訴求

 コロナ禍で、オフィスでの衛生観念や安全・安心の意識も高まっている。吉田氏は、オフィスの安全・安心な環境が提供されているかの評価について、オフィスで働く人の約4分の1が否定的な評価で、19.6%が「わからない」とするアンケート結果を披露した。「このようなオフィスの衛生や安全安心に関する意識は今後も増加し、シビアになっていく」(吉田氏)。

 衛生観念や安全・安心に対する意識で、働く人が気にする項目は、「環境衛生管理についての情報提供」が33%、次に「オフィスの換気」に関するものが28%。

 吉田氏は、このようなオフィス環境を見える化するためには、第三者による認証を使うことが有効な手段だとする。米国では、既に2020年6月に新型コロナなどの感染症や緊急事態への対策を戸建て住宅を除く、あらゆる施設を対象に評価する「WELL Health-Safety Rating(WELL健康安全性評価)」がスタートしている。日本でも「CASBEEウェルネスオフィス」などの第三者認証を活用すれば、安全・安心への取り組みを具体的に確認し、かつ対外的に提示できる。

コロナ禍で、オフィスの安全に関する意識が高まった

 CASBEEウェルネスオフィスは、2019年5月に先行認証が開始され、2020年11月に第1号の認証が発行された。働く人の健康性、快適性、知的生産性などに影響を与える建物の要素、安全安心の要素などに関して60の評価項目が設定されている。

 認証を受けると、評価項目の各点数が公表されるため、ビルの利用者はオフィスの安心・安全のレベルや快適性を確認できる。点数は、ビルのオーナー側にもメリットをもたらす。吉田氏は、認証取得で、安全で快適なビルであることをアピールすれば、付加価値として賃料にも反映されることになり、ファシリティの価値向上につながるとして、第三者認証の取得を推奨し、講演を締めくくった。

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