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コロナ禍だからこそ、オフィスやニューノーマル対応など新たな“FM戦略”をファシリティマネジメント フォーラム 2021(2/3 ページ)

コロナ禍によって、テレワークの普及や働く場所の在り方といった社会基盤に変革が起きている。しかし、社会変化に対して、PDCAサイクルで柔軟な対応力を備えるファシリティマネジメント(FM)を活用することで、より良い働く環境や持続可能な開発目標を実現し、ビルやオフィスの資産価値を向上させる機会にもなり得るという。

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緊急事態宣言解除後、在宅勤務の継続率は4割強


ザイマックス不動産総合研究所 吉田淳氏

 一方で足元の働き方改革とオフィス戦略については、ザイマックス不動産総合研究所 吉田淳氏が解説した。

 新型コロナウイルスの影響によって、働く場所や働き方が大幅に変革した。しかし、その流れはコロナ禍によって始まったわけではなく、2017年から政府主導で始まった「テレワーク・デイズ」の試みも含め、「働き方改革」によるところが大きい。

 吉田氏は2017年以降、働き方改革への企業の取り組みは年々増加し、とくに2019年には数字が伸びていることを示した。「企業がICTへ先行投資し、テレワークの場所や制度を整備したからこそ、新型コロナウイルス感染症のまん延に伴う緊急事態宣言で(出社制限が掛かる中で)、テレワークが選択できたのではないか」。

 企業がコロナ対策で取った施策は、在宅勤務と時差出勤が目立つ。なかには都心のメインオフィスではなく、サテライトオフィスの利用を促す企業も存在する。

 吉田氏は、コロナ以前に在宅勤務を実施していた企業は3割程度にとどまり、大多数の企業はコロナを契機として、“強制的に”在宅勤務を導入しているとした。

 ザイマックス不動産総合研究所の在宅勤務に関するアンケートでは、緊急事態宣言が解除された後にも、テレワークを継続する企業が43.4%の結果(残りは緩和または廃止)。

 在宅勤務に関しては、職種によっても違いが見られる。ホワイトカラーと呼ばれる職種の中でも、総務、人事、経理は出社率が突出して高い(57.7%)。その理由は、ペーパーレスでの業務が困難、ハンコ問題、ネットワーク整備など。

コロナ禍をオフィス進化のチャンスに!

 オフィスの面積に関しては、縮小の意向が強い。これまで多くの企業は都心にオフィスを構えることで生産性が高まり、企業の魅力度もアップするという戦略をとってきた。しかし、そこで働く従業員には職住の接近を求める声も多いという。

 こうした新しい動きやトレンドの受け皿として急激に市場を拡大しているのが「フレキシブルオフィス」だ。ニューヨークやロンドンでは3〜5%の普及となっているが、東京23区でも1.2%ほどの状況にあり、マーケットの中で存在感を増している。

 こうした環境変化を受け、企業側でもオフィス戦略の見直しが進んでいる。吉田氏は、半数近い企業が「ハイブリッド戦略」を選択していると解説した。ハイブリッド戦略とは、メインオフィスとテレワークを使い分ける戦略だ。

 今後は、働く場としてのオフィスをワークプレースのベストミックスとして再構築する必要がある。吉田氏は「出社派の会社でもメインオフィスの在り方を見直し、新しい魅力を作り出していく必要がある」と語る。

 職住接近のオフィスニーズが高まり、サテライトオフィスや郊外型のシェアオフィスに注目が集まるが、数や面積ではまだまだ拡充が期待されている。また、集積でも、分散でも、それぞれにメリットとデメリットがある。「どんなワークプレースが最も生産性を高められるのか、そして社員が幸せに働けるのか。これからその模索が続くのではなかろうか。コロナ禍の経験をワークプレースを進化させるチャンスと捉え、多様な課題に取り組んでいただきたい」(吉田氏)。

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