自動ドアにプロジェクションマッピング?ナブテスコと凸版印刷が売上10億円を目指す投影ソリューション:プロジェクションマッピング
ナブテスコと凸版印刷は、スライド式自動ドアの動きに合わせて映像を投影するソリューション「コネクトドア」を開発した。商業施設や空港などの自動ドアに、プロジェクションマッピングを行うことで、新たな広告媒体やエンタテイメント空間としての有効利用を見込む。
ナブテスコと凸版印刷は、スライド式自動ドアの動きに合わせて映像を投影するソリューション「コネクトドア」を共同開発した。
コネクトドアは、国内自動ドアトップシェアのナブテスコが長年培ってきた駆動制御技術と、凸版印刷が持つシステム開発の技術力および映像制作力を融合させた新たな映像ソリューション。商業施設や観光施設などに設置されている自動ドアに、多様な映像を映し出すことで、エンタテイメントや広告のスペースとして活用することが可能になる。
コネクトドアのシステムは、ナブテスコ社製の自動ドア駆動装置(NATRUSまたはNET-DS)、通信アダプター映像制御システム、自動ドアの左右に映像を投影させるプロジェクター2台(4200lm)、ドアに貼る投影フィルム(リアプロジェクションフィルム)で構成。自動ドアの開閉に合わせて映像や音声を切り替えられ、設置場所によって異なるドアのサイズや開閉スピードにも同調させることが可能だ。
既設のナブテスコ製の自動ドア「NABCO」であれば、使用中の駆動装置はそのままに、投影フィルムを貼ってプロジェクターと映像制御システムを設置するだけで済む。
開発の背景には、国内におけるデジタルサイネージ(DS)市場の拡大がある。近年は商業施設でDSの採用は増えつつあり、市場全体の規模は2020年に3000億円にも達すると予想されている。なかでもプロジェクションマッピングは大幅な成長が見込まれ、ビル壁面や窓ガラスなどを活用したイベントや広告展開は、現状でも数多く行われている。
両社はこうしたニーズの高まりを見据え、ナブテスコと慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科の共同研究をベースに、プロジェクションマッピングの投影技術と自動ドアの制御技術を駆使して、新たな映像ソリューションを開発した。
今後は、実証実験を経て、ショッピングモールやアミューズメントなどの商業施設、空港、観光関連施設、ショールームを対象に、2018年12月から試験販売を開始する。さらにその先には、都市開発を行っている大手デベロッパー向けに、テナントの広告をネットワーク管理する新商品の開発も視野に入れ、2020年中に10億円の売上を目指す。
試験販売の予定価格は、コネクトドア システムの利用料は月額30万円〜、保守費は月額10万円〜。コンテンツの制作料金は1コンテンツ80万円〜。プロジェクター、PC、投影フィルム、施工費用は、立地条件により、別途見積もりとなる。
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