欧州で高評価の真空断熱ガラスを国内初採用したエクセルシャノンの「樹脂サッシ窓」:製品動向(2/2 ページ)
エクセルシャノンは、パナソニック製の真空断熱ガラス「Glavenir」を窓ガラスに採用した高性能樹脂サッシ「シャノンウインドSPG」を結露防止が必要な病院や老健施設、ホテル、高性能住宅などの新築施設をターゲットに完全受注生産で2021年6月に販売する。
フレームの内部に断熱材を隙間なく充填
エクセルシャノンの橋本氏は、「シャノンウインドSPGの“UF−H樹脂フレーム”は、内部に熱伝導率の低いノンフロン系のポリウレタンを断熱材として隙間なく充填し、フレームの断熱性能を向上させている他、枠と障子部の中空部であるキャビティ部をセンターシールで分断し、空気の対流による伝熱を抑えている」と話す。
続けて、「当社は、シャノンウインドSPGの断熱性を確かめるために、建材試験センターで表面温度の比較試験を行った。比較試験では、屋内温度21度・屋外温度マイナス10.4度の条件で、Low-Eペアガラスを搭載した樹脂サッシ“シャノンウインドIIs”とシャノンウインドSPGの性能を比べた。結果、屋外がマイナス10.4度の厳しい環境でも、シャノンウインドSPGは、屋内側と屋外側でガラスとサッシ枠の表面温度がほとんど差がないことを確認し、優れた断熱性能を持つことが分かった。シャノンウインドSPGの熱貫流率は1.1ワットパー平方メートルケルビンで、JIS規格の断熱性能等級ではH-8となる」と語った。
遮音性能に関して、シャノンウインドSPGの縦すべり出し窓は、室内と室外の平均音圧レベル差が35.1デシベルとなる遮音性を備えており、住宅性能表示の遮音性能評価で最高等級3のサッシと比べて、音を遮る性能が約3倍だ。
今後の展開について、エクセルシャノンの池田氏は、「当社では、シャノンウインドSPGを結露防止が必要な病院や老健施設、ホテル、高性能住宅などの新築施設をターゲットに完全受注生産で販売する。2030年までに、シャノンウインドSPGを含むエクセルシャノン製樹脂サッシの総採用棟数を3万棟にすることを目標に掲げている」とコメントした。
シャノンウインドSPGのサッシカラーは外観と内観ともにホワイト。価格は、640(幅)×1170(高さ)ミリのサイズで28万5120円(税込み)。
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