換気と高断熱を両立、意匠性にも貢献する三協アルミの「DI窓」:第5回 住宅・ビル・施設 Week(1/2 ページ)
三協アルミの「DI窓」は、従来の換気口に頼らず住宅の換気を実現する製品。窓としての高い断熱性能を備え、従来型の換気口に存在した意匠面での課題も解決する。
三協立山 三協アルミ社(略称:三協アルミ)は、「第5回 住宅・ビル・施設 Week」(2020年12月2日〜4日、東京ビッグサイト)内の「第3回 施設リノベーション EXPO」で、高い断熱性能を持つ「DI窓」を展示した。DIは「Dynamic Insulation」の略で、Insulationは断熱、遮音といった意味を持つ。DI窓は高い断熱性能の他、快適な換気、建物外観の向上、結露の低減などのメリットがあるという。
外窓と内窓の2重構造で高い断熱性を発揮
DI窓は外窓と内窓の2重構造で、外窓と室内側の内窓の間に整流板を配置している。この整流板によって、屋外から入ってきた空気を下向きに流れるよう導く。この流れは窓の下部で上方向に転じ、内窓の上部から室内に入るようになっている。この空気の流れによって室内から逃げようとする熱を回収し、高い断熱性能を発揮する。
窓は住宅にとって必須なものだが、断熱の面では工夫が必要なポイントでもあった。一般的な省エネ基準住宅では、全体の50%もの熱が窓から外部に逃げてしまう。三協アルミでは、この一般的な窓をDI窓にすることで窓から逃げる熱の割合を43%削減し、全体の7%にまで低減できるという。
DI窓は、換気に関しても利点がある。現在の住宅は、24時間の換気ができる設備を採り入れることが法で定められている。気密性が高い住宅における、いわゆるシックハウス症候群の防止を主な目的とするものだが、これまでは屋外と室内をつなぐ換気口を設けることで基準をクリアしていた。しかし、この方法は冷たい外気によって暖房の効率を下げることにつながる。暖房された室内でも換気口の近くでは温度が下がり、寒く感じるなどの問題もあった。
DI窓ではこの問題も解決できる。DI窓では、先に触れた2重構造によって、外気を室内の温度に近づけて室内に導く。これにより、例えば屋外の気温が0度、室温が20度のときは12度に暖められた外気が取り込める。一般的な換気口の場合は0度の外気がそのまま入ってくるので相違点となる。
ちなみに、DI窓の中間部には断熱ブラインドやロールスクリーンなどを設置することもできる。中間部にブラインドなどを設置すると、整流板よりも効果的に空気の流れを作り出せる。また、ブラインド自体による断熱効果も期待できる。
三協アルミでは、断熱ブラインドを設置した場合、外気温0度/室温20度の状態では外気を14度まで暖められるとしている。
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