風速に応じて自動で窓の開き具合が変化、三協立山が中高層ビル向けの「省エネサッシ」を発売
三協立山・三協アルミ社は、中高層ビルを対象に、風の強さに応じて窓の開閉角度が変わる「風力すべり出し窓」を発売した。
三協立山・三協アルミ社は、2017年5月に発売したビル用高性能の省エネサッシシステム「ARM-S」のUシリーズ[U+タイプ]に、風力を利用した新しい機構を持つ自然換気窓「風力すべり出し窓」を追加した。
20階建て中高層ビルに導入が可能
風力すべり出し窓は、風の力で開放角度を制御し、室内に取り込む風量を調整して快適な室内環境を保つ。日常的に使う換気窓と、非常時の排煙窓の切り替えは、備え付けのハンドル操作で行える。
Uシリーズは、ARM-Sシリーズ共通のスリムなデザインでありながら、より汎用性を持たせたユニットサッシ。独自のシステムにより、形状の異なるUタイプ、U+タイプといった他の窓種と自由に連窓を組み合わせられる。
今回、風力すべり出し窓が加わったU+タイプは、Uシリーズの耐風圧性や水密性などの基本性能を向上させ、最大高さ3000ミリまでの大開口が可能。高さ約60メートル、15〜20階相当の中高層建物に対応する高性能の省エネサッシだ。
特徴の一つ換気機能は、受ける風の力によって開放角度が変化する。風が弱い時は最大角度で開放して、室内に風を取り込むが、風が強くなるほどに開放角度を絞り、室内に入り込む風量を調整する。不意に強風が吹いても、室内に流れ込む風を制御しているため、常時、快適な室内環境を実現できる。
標準装備されているハンドルによる操作は、3つのモードがあり、ハンドル下向きで“閉鎖”、水平で“換気”、上向きにすると開放角度を最大の45度に固定した“排煙モード”になる。換気と排煙の切り替えは、ハンドル操作で容易なため、排煙時に窓を開閉する「オペレーター装置」の設置が不要で、配管工事や配線工事も必要ない。
参考価格は、1000(幅)×3000(高さ)ミリ、H2(上段すべり出し窓)800mm、GMC(シルバーマット)色の場合、41万円(税別、搬入費、取付費含まず)。
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