世界2ケタ成長の「ミルウォーキーツール」、“建設工具のコードレス化”で日本上陸:製品動向(2/2 ページ)
建設業界全体で、工具の電動化が進んでいるなか、2020年度のアジア市場で35%の売上成長率を見込むミルウォーキーツールは、建設工具のコードレス化を強みに、日本の建設現場に向けてブランド展開を本格化させる。
国内初の販売拠点にはリペアセンターや動画撮影スタジオも
日本法人のミルウォーキーツール・ジャパンは、同社製品を取り扱う香港に本社を置く電動工具製造会社のテクトロニック・インダストリーズにより、2020年4月27日に設立された合同会社。今回、日本市場への参入にあたり、2021年4月1日には国内初の販売拠点を東京都板橋区中丸町13-1にオープン。新拠点は、HDC(ヘビー・デューティー・センター)と名付けた約150平方メートルのショールーム兼店舗を2階オフィス部分に常設している。隣接して、全国からのミルウォーキー製品の修理や持ち込み修理に応じるサービスハブも設けている。
オフィス内には、36平方メートルほどのサービスパーツ倉庫も配置する他、地下1階にはHDCと専用エレベーターでつながった約90平方メートルの多目的施設「MSJ(ミルウォーキー・スタジオ・ジャパン)」を設け、カンファレンスやデモを伴う社内外向け研修、日本独自の動画やライブストリーミングの撮影が行えるスタジオとしての利用を見込む。通常時には、来店されたユーザーが製品を試して体験できる場となることを想定している。
販売戦略では、ユーザーへの直販活動に加えて、独自のアプリとmPOS端末を利用することで、建設現場に居ながら製品購入や決済が可能で、顧客のアカウント設定、発注、見積もり、決済(現金・クレジットカード)、領収書の即時発行、発送手配など、製品販売に必要なプロセスが全て現場で完結する。
日本参入の狙いについてミルウォーキーツール・ジャパンでは、「(建設工具の)コードレス化により、日本の建設現場の作業効率アップに貢献することにある。とくに従来、ガソリンや空圧、油圧などの高出力が必要な製品をコードレス化することで、生産性改善とともに、現場での排ガスNo Emission、低騒音化を促進するという目標を掲げている」と回答している。
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