ゲーム発表40周年「パックマン」が自治体向け“道路の維持管理サービス”とコラボ:維持検査・点検
アイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュが提供する道路維持管理支援サービス「みちログ」が、1980年5月22日のアーケード版発表後に「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス記録に認定され、世界的にも著名なゲームキャラクター「パックマン」とコラボレーションすることが決まった。道路維持管理支援サービスの専用Webアプリで、マップ上の道路に配置されたドットを追跡し、パワークッキーなどを食べるパックマンが登場するという。
バンダイナムコエンターテインメントは2021年3月18日、アイシン精機及びアイシン・エィ・ダブリュ※が運営する道路維持管理支援サービス「みちログ」と、同社が保有するゲームキャラクターIP(Intellectual Property:知的財産)「パックマン(Pac-Man) 」がコラボレーションし、「みちログ powered by PAC-MAN」として新たにサービスを開始すると明らかにした。
※2021年4月1日にアイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュは「アイシン」に経営統合
道路維持管理支援サービス「みちログ powered by PAC-MAN」
みちログは、アイシン精機及びアイシン・エィ・ダブリュが運営する道路の維持管理に関するトータルサービス。ごみ収集車や乗り合い送迎サービス「チョイソコ」の車両などに、カメラ、センサーを搭載することで、道路調査を行う専用車両がなくても、道路の状態を把握するための基になる画像やデータを取得。収集したデータは分析にかけて道路の異常を検知し、専用のWebアプリを介して、行政機関などの道路管理者に、路面状態のデータや自動作成される補修計画を提供する。
また、現場に出向く、自治体などのパトロール班や道路補修業者にとっても、Webアプリで作業指示の確認や点検結果報告などをアプリ配信サーバにアップし、関係者が共有することで、その都度、書類を作成するため帰社せずに済み、作業全体の効率化が見込める。
Webアプリ上では、アイシングループがこれまで培ってきたナビゲーション開発のノウハウを生かした位置情報技術を用い、地図上の道路が管理対象か否か、さらに既に走行したかどうかも色分けされるという。
今回のコラボは、一般車両を使って道路を網羅的に走行しながら計測し、まだ通っていない部分を埋めていくというみちログのサービスと、パックマンがゲーム内の迷路でモンスターをかわしパワークッキーを食べつつ、244個のドットを食べ集める動きが似ていることから、コラボレーションが実現したという。
今後、アイシングループでは、みちログ powered by PAC-MANのディスプレイアウトプットに「道路上のクッキーを食べるパックマン」を登場させたり、みちログ powered by PAC-MANの搭載車両にマグネットステッカーを貼り付けたりといった展開を検討しており、多くの自治体や社会全体に対して、みちログそのものの周知や浸透につなげる。
一方、バンダイナムコエンターテインメントは、「(当時ナムコがゲームを発表した1980年から数えて、2020年の)40周年をきっかけに、新作ゲームや多くのライセンス商品を通し、生活のあらゆる場面でパックマンを身近な存在として親しんでいただけるように取り組んできた。みちログ powered by PAC-MANを通じて、交通事業にパックマンを組み合わせることで、交通事業にもワクワクするような体験を提供していく」とコメントしている。
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