静岡県の点群データでインフラの維持管理を効率化するデジタルツインを開発:産業動向
Symmetry Dimensionsは、静岡県がオープンデータとして提供する3次元点群データを基に、県内におけるインフラの維持管理を効率化するデジタルツインを開発した。
米国デラウェア州に本社を構えるSymmetry Dimensionsは、静岡県がオープンデータとして提供する3次元点群データを基に構築したデジタルツインで、インフラの維持管理を効率化する実証実験に挑戦したことを2020年12月10日に発表した。
デジタルツイン上で遠隔地の管理者と現場にいる従業員の意思疎通が可能
実験では、静岡県が作成した3次元データ保管管理システム「PCDB(Point Cloud Data Base)」とG空間情報センターで公開されている点群データをベースに、静岡県伊豆東部エリアにおける上下水道の3次元データや管理情報、図面、ハザードマップ、2次元地図データなどの情報を統合したデジタルツインで、県内のインフラに対する維持管理の効率化を試みた。
結果、デジタルツインを活用することで、必要なデータをプラットフォーム上でまとめられ、災害時に生じるインフラ被害箇所の予想や耐用年数が迫っているインフラなどの情報が可視化され、優先的に点検が必要な場所が分かりやすくなり、インフラメンテナンスの計画作成がスムーズになった。
上記のデジタルツインを利用し、建設現場における遠隔管理の実証実験も行った。実験では、管理者が、遠隔地から現場の様子をデジタルツイン上で確認し、作業者に指示して、注意事項などをデジタルツイン上に入力させた。デジタルツイン上でインプットされた情報は、ARグラスを通じて、現場のスタッフ間で共有し、各従業員が内容を確かめた。また、現場のスタッフは、ARグラスを使用しデジタルツイン上にコメントを書き込み、遠隔地の管理者と意思疎通を図った。
結果、経験の浅いスタッフでも管理者とリモートでコミュニケーションをとれ、現場管理が容易になった他、従来紙資料で作成していた重機計画などもデジタルツインを使い、3次元空間内で精度の高いものを作れることも明らかになった。
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