設備の拾い出し図面を1枚当たり15分で作れるソフト、石田データサービス:設備業ITフェア ONLINE 2021
石田データサービスは、CADやPDF、紙の図面と対象施設に導入する設備のリストを基に、設備の拾い出し図面を作れる設備業向け材料拾い出しソフト「拾いEX」を開発した。拾いEXでは、設備の拾い出し図面を1枚当たり15分で作れる。
全国設備業IT推進会は、設備分野の最新ソリューションなどを紹介するイベント「設備業ITフェア ONLINE 2021(会期:2021年2月9〜10日)」をオンラインで開催した。
会期中に繰り広げられたセミナーの中から、石田データサービス 代表取締役 井上英明氏が、設備業向け材料拾い出しソフト「拾いEX」や設備業向け積算見積もりソフト「本丸EX」、設備業向け工事原価管理ソフト「二の丸EX」のワークフローと機能の一部を紹介した講演をレポートする。
CADやPDF、紙図面を基に拾い出し図面の作成が可能
拾いEXは、CADやPDF、紙の図面と対象施設に導入する電力用ケーブルなどの設備リストを基に、設備の拾い出し図面を作れる。拾い出しとは、工事費の積算に先立ち、設計図から建物各部の材料や必要な業務などの数量を算出する作業。こういった材料と業務を見える化したのが拾い出し図面。
拾いEXを用いた拾い出し図面の作成手順は、まず紙図面をスキャナーでスキャンしたデータやCAD、PDFから、設備用の図面をPCに取り込み、拾いEXで図面の縮尺を適切にする。次に、拾いEXで、工種や使用設備、施工条件、場所を選択した後、各設備の位置を可視化した図面が表示される。
図面上の設備をクリックし設備の数をカウントして、線状で見える化されたケーブルなどの設備をクリックし線幅と線の色を調整するなど、編集することで拾い出し図面は完成する。拾いEXで作成した拾い出し図面のデータから、設備の名称や規格、数量などをまとめた集計表をExcelファイルで作れる。
石田データサービスの井上氏は、「拾いEXでは、図面50枚の設備拾い出しを12時間30分で行え、図面1枚当たり15分で作業が完了する。通常、人力で図面50枚の設備拾い出しを実施すると25時間かかる」と効果を説明した。
本丸EXは、単独もしくは拾いEXで構築した拾い出し情報と連携して、設備の資材単価や特定の工事に要する作業量と日数を数値化した歩掛(ぶがかり)を備えた設備の見積もりを作れる。設備業の見積もりで求められる設備の資材単価や定価、歩掛のテンプレートを搭載し、拾いEXで作成した拾い出し情報と連携した場合には、そのデータをベースに自動で設備の資材単価と歩掛が見積もりにセットされる仕組みになっている。
本丸EXの見積一覧画面では、案件管理や受注した物件のチェックに応じ、見積もり書総括登録画面では、設備工事の工種を9つのリストに分けて登録でき、法定福利費も入力可能。必要な設備をインプットした後、自動で労務費と経費を算出する機能も搭載している。
二の丸EXは、工事台帳の作成や実行予算の入力、発注用書類作り、請求金と入金の管理が行える。工事台帳画面では、本丸EXで作った見積もりデータを読み込ませると、その情報から工事台帳が自動生成され、工事台帳では施工場所や担当者なども確かめられる。本丸EXで作った見積もりデータを読み込むことで、予算登録画面に実行予算も自動でセットされる。入力された実行予算から、明細付きで設備の注文書と工事注文書も作れる。
二の丸EXが備えている原価登録画面では、工事の原価を、仕入れ、労務、外注、経費別に入力でき、資材の入出庫データを管理することにも応じており、在庫の把握にも役立つ。
井上氏は、「仕入れ先からの請求書データを二の丸EXに取り込むことで、仕入れ帳や工事台帳、仕入れ先別単価表の作成に使える。仕入れ先の請求書データから、過去の請求書と比べられる単価のチェックリストも作れ、入金の状況を確かめられる表も作れる」と語った
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