デジタル図面の共有・編集が企業内ネットワークでも可能に、OKIの建設・設備工事向けクラウドサービス
OKIは2019年3月1日、デジタル図面を作成してネットワーク上で共有・編集できる建設業、設備工事業向けのクラウドサービス「TerioCloud」を企業内サーバでも導入可能にした「TerioCloud Private(以下、Private)」を発売する。
沖電気工業(OKI)は2019年3月1日、デジタル図面を作成して、ネットワーク上で共有・編集できる建設業、設備業向けサービス「TerioCloud」を拡張させた「TerioCloud Private」を発売する。従来のTerioCloudは、デジタル図面をクラウド上で共有し、モバイル端末で閲覧・加筆修正することで業務効率化を進め、報告書の作成などが容易になるクラウドサービス。新バージョンのPrivateは、図面作成やデータ共有の機能はそのままに、顧客企業のプライベートネットワーク環境でも利用できるようにした。
「社内環境でも」との強い要望に応えた「Private」
TerioCloudは、PDFまたはTIFFのファイル形式に対応し、CADデータ、Office文書などは紙図面と同等の表現性の高いPDFへと変換。さまざまな図面データを一元的にクラウド上で管理し、管理用端末(PC)や現場作業員が持っているiOS端末(iPhone、iPad)でリアルタイムに共有することができる。
登録した図面データをクラウドサーバにアップロードすることで、iOS端末を利用して外出先でも図面データの高速閲覧・手書きでの加筆修正、写真の添付が行える。図面を何枚も持ち歩く必要がなくなり、社外秘の図面でもセキュア通信とデータ暗号化で安全に管理することができる。導入先としては、ゼネコンの施工現場をはじめ、電気・空調・衛生・防災の設備点検、製造業の出荷検査・納入品の検査などで主に利用されている。
クラウドを介して図面をリアルタイムで共有するため、現場が複数あっても図面やり取りの工数が不要となり、設計変更や図面更新の際にも伝達が遅れることがなく、現場での使用版数の誤りや作業の手戻りが抑えられるメリットがある。
Privateは、上記の基本的な機能を自社のプライベートのネットワーク環境でも使いたいというニーズに応えるべく開発。従来のTerioCloudはクラウド利用を標準としてきたが、新たに既設のネットワーク環境にも対応したことで、活用シーンが大きく広がった。
検査作業の場合の流れとしては、図面の管理者は、事務所の管理用PCでPrivateのサーバに図面データを変換してアップロード。現場の検査スタッフは、データをダウンロードした上で、iOS端末で検査結果を登録し、それをサーバにアップするとリアルタイムで反映されるため、管理用PCで報告書を出力するという流れだ。
Privateでは、データの機密性を保ちつつ、企業内のネットワーク環境で活用するため、利用者ごとの図面活用状況の表示・集計機能やシステム稼働状況の監視機能などを標準実装している。また、TerioCloudと設計・実装の共通化を行っており、顧客の要望にあわせた機能拡張を顧客のプライベート環境で提供する。
導入費用は、年間利用サブスクリプション契約で個別の見積もりで決める。Private単体の販売目標は3年間で1億円。
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