アズビルが2020年度第3四半期決算を発表、コロナでBA事業など低迷するも純利益は増加:BAS(2/2 ページ)
アズビルは2020年度第3四半期決算をこのほど発表した。2020年度第3四半期決算によれば、新型コロナウイルス感染症の影響で、ビルディングオートメーション事業をはじめとする各事業の受注や売上が前年同期と比べて減少したが、保有する株式の売却と国内の工場統合で、純利益は前年同期より増えた。
BA事業は空調ソリューションの開発を強化
2020年度の連結業績計画について、アズビルは、同年に上方修正した内容から変更しない方針を示した。この計画を達成するために、安全管理の徹底や新型コロナウイルスの感染防止に向けた社会要請に応じつつ、これまでに確認した事業環境変化への対応力と強化した収益基盤を活用する。
また、セグメント別の計画では、BA事業は、前年度が高水準であったことの反動や上期の新型コロナウイルス感染症拡大による一部市場での投資抑制、計画延期、海外の工事延期などを考慮し減収と減益が見込まれている。しかし、オフィスビルの建設と改修に伴い搭載される設備を対象にしたアズビルのサービス事業は全般的に堅調を維持しており、2020年度の連結業績計画を達成できる見通しだ。
LA事業では、第4四半期にライフライン分野のLPガスメーターが不需要期に入るが、メーターデータサービス事業の伸長と前年度に受注が増えたLSE分野向け製品の売上アップが見込めるため、全体では前年度と同レベルの安定的な売上とセグメント利益になると予測している。
AA事業では、足元の新型コロナウイルス感染症再拡大で、設備投資の市況が不透明感を増しているが、設備の維持と更新の需要は底堅く、中国などの一部地域や半導体を製造する装置の市場などで設備保守サービスのニーズが継続すると想定。加えて、収益力の強化と顧客開拓の施策が実を結び、上方修正した業績に至ると見積もっている。
今後の展開について、アズビルの横田氏は、「現在、これまで掲げていた業績目標の売上高3000億円を上回るものを記載した中期経営計画の策定を進めている。作成中の中期経営計画では、業績アップを果たすための骨子として、新たなオートメーション領域の開拓や環境・エネルギー分野の事業拡大、ライフサイクル型の事業強化を示す」と語った。
BA事業とLA事業の方向性に関して、横田氏は、「BA事業では、コロナ禍でニーズが高まっている空調ソリューションと空調機器の省エネとCO2の削減を実現する製品の開発をさらに推進する。BASにBIMなどを活用した利益創出型の仕組みも構築し、収益を確保して、製品ラインアップの強化とサービスの拡充につなげる。LA事業では、既設のガスと水道のメーターをスマートメーター化し、スマートメーターで得られたデータを活用するクラウドサービスを展開していく。また、当社が技術を保有していない電力用スマートメーターの開発を東光高丘グループと共同で進める」と明かした。
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