ウェアラブルカメラで取得した映像を「Teams」と「Zoom」に共有可能な新システム:第7回 ウェアラブル EXPO
谷沢製作所は、ウェアラブルカメラとマイクを用いて現場で取得した映像と音声を「Microsoft Teams」「Zoom」「Cisco Webex Meetings」「Skype」といったWeb会議システムに共有できる作業現場向け情報共有システム「U‐BOX AT」を開発した。
谷沢製作所は、建設と点検向けのウェアラブル端末や業務改善ソリューションが展示される専門展「第7回 ウェアラブル EXPO ウェアラブル 開発・活用展」(会期:2021年1月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展し、2021年3月発売予定の作業現場向け情報共有システム「U‐BOX AT」を披露した。
周辺におけるガスのデータも取得可能
U‐BOX ATは、カメラ、マイク、スピーカーから成るカメラ付きヘッドセットや送信端末、モバイルルーター、バッテリーで構成され、カメラとマイクで取得した映像と音声を送信端末で、専用クラウドにHD画質で配信できる。専用クラウドで映像の録画が行える他、システムの装着者に音声も送れるため、遠隔臨場にも役立つ。
谷沢製作所の担当者は、「最大の特徴は、Microsoft製の“Microsoft Teams”と“Skype”やZoomビデオコミュニケーションズ製の“Zoom Cloud Meetings”、Cisco Webex製の“Cisco Webex Meetings”といったWeb会議システムを送信端末にインストール可能で、U‐BOX ATを用いて得られた映像と音声を各システムに共有可能だ」と説明した。
また、送信端末を理研計器製ポータブルガスモニター「GX-3R Pro」にBluetooth接続することで、周辺のガスデータを検知する。計測したガスデータから、専用のクラウドでCO2濃度を見える化することもでき、AgXとSensorCorpus製クラウド「CONNECTUS」を使用し、酸素やメタン、硫化水素、一酸化炭素の濃度を可視化することにも応じている。管理者は、ガスデータをクラウド上で確認し、作業者が働く環境に危険なガスが充満していないかを確かめられる。
さらに、送信端末は、従来機のU-BOX WITH向けクラウドとの連携も可能で、U-BOX WITHとU‐BOX ATで収集したデータを連携しやすい。
U‐BOX AT用送信端末のサイズは75(幅)×25(奥行き)×160(高さ)ミリで、重さは235グラム。OSはMicrosoft製の「Windows 10 Pro 64bit」と「Linux」に対応し、CPUにはインテルの「Celeron N400」を搭載している。メモリは4GBで、ストレージは64GB eMMC。USBポートはUSB Type-C コネクターに応じ、BluetoothはBluetooth5。取り付けられたSDカードリーダーはmicroSDに対応。
U‐BOX ATに設置されたカメラの画素数は100万画素で、方式はカラーCMOS。レンズのF値は2.4で、画角は水平110度、垂直70度。
U‐BOX AT用マイクの形式はECM型無指向性で、防水防塵等級はIP68相当。スピーカーの種別はムービングコイル型で、プラグはφ2.5モノラルプラグ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 揺れや傾きが生じても水平映像を映す衣服装着型ウェアラブルカメラ
ザクティエンジニアリングサービスは、カメラに揺れや傾きが生じても、水平を維持した映像が出力可能な業務用ウェアラブルカメラ「CX-WE300」を開発した。CX-WE300は、以前に発売したヘルメット装着型「CX-WE100」とは異なり、衣服装着型で、レンズカバーの開閉で録画の開始と停止ができるレンズカバー録画ボタンを新たに搭載している。 - 音声や画像で遠隔作業を支援可能なSaaSと映像取得で役立つスマートデバイス
兼松コミュニケーションズは、遠隔地から現場の作業者に指示が行えるオプティム製のSaaS「Optimal Second Sight」とさまざまなデバイスを組み合わせたサービスの開発を進めている。近年は、国内の事業所から海外の現場で働く作業員に指示が送れるサービスの開発も手掛けている。 - スマホやPCで遠隔臨場可能な新システム、移動時間の削減や技能継承に貢献
大成建設は、ネットワークに接続した定点カメラとウェアラブルカメラの映像やセンサーで取得したデータをスマートフォンやPCに表示し、ステークホルダーがリアルタイムに現場の状況を確認できる「T-iDigital Field」を開発した。T-iDigital Fieldの効果を確かめるために、香川県発注の椛川ダム建設工事で実証実験を行った結果、ボーリング作業の検尺への発注者立会やコンクリート打設管理で、移動時間の削減などで有効だと判明した。検尺立ち会い検査は、大成建設が2019年度に実施した基礎処理工事の検査では、約3分の1を占めており、新システムを活用することで効率化が期待されている。 - コロナ禍の非対面ニーズに応える、キヤノンMJの建設向け遠隔コミュニケーションツール
キヤノンマーケティングジャパンは、音声通話が可能なトランシーバー型ウェアラブルカメラとクラウド録画サービスを組み合わせたコロナ禍での「非対面」「非接触」のニーズに応じる映像サービス「Safie Pocket2」の提供を開始する。 - ウェアラブルカメラ購入で無料利用、中小ゼネコンが評価する動画通信システム
インフィニテグラは、WebRTCサーバを活用した通信システム「RazVision WR クラウド版」を開発した。現場と指令所との動画交信を実用レベルかつ安価で実現する点が中小建設会社に評価されている。 - 匠の技能をアーカイブ?技術継承をデジタル技術で実現する、淺沼組の挑戦
淺沼組は、熟練技能者のワザやノウハウをデジタルデータとしてアーカイブし、次世代の建設生産管理に生かすことを目指した「Ai-MAP SYSTEM」の構築に取り組んでいる。