コロナ禍の非対面ニーズに応える、キヤノンMJの建設向け遠隔コミュニケーションツール:現場管理
キヤノンマーケティングジャパンは、音声通話が可能なトランシーバー型ウェアラブルカメラとクラウド録画サービスを組み合わせたコロナ禍での「非対面」「非接触」のニーズに応じる映像サービス「Safie Pocket2」の提供を開始する。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、ネットワークカメラのクラウドサービスを展開するセーフィー製の遠隔業務を支援するトランシーバー型ウェアラブルカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」の取り扱いを2020年8月下旬から開始する。
バッテリーとLTEルーター内蔵で即使用可
Safie Pocket2は、トランシーバー型ウェアラブルカメラとクラウド録画プランに、ヘッドセットなどの付属品を含んだオールインワンパッケージの遠隔支援サービス。
トランシーバー型ウェアラブルカメラには、8時間稼働するバッテリーとLTEルーターが内蔵されているため、その場で身に着けてすぐに使用することができる。衣服に装着するだけでなく、固定カメラとして、三脚などへの取り付けにも応じている。付属のヘッドセットを使えば、現場の作業支援や現地調査をリアルタイムで映像を確認しつつ、会話しながら作業が行える。
製品仕様は、IP67に準じた防塵(ぼうじん)・防水で屋外や悪天候の現場に耐えうる堅牢設計。LEDライトも搭載しているため、光量の足りない暗所での撮影にも対応する。
撮影機能では、本体横の撮影ボタンを押すと、静止画を撮影。録画中でも途切れることなく、残しておきたいシーンをフルHDの高解像な静止画で記録できる。録画したデータは、別途用意されているクラウドサービスを利用することで、保管期間の30日間であれば、どこにいても映像の再生やデータ共有が可能になる。
Safie Pocket2の料金設定は、通常プランで初期費用が1万5000円、月額料金が2万5000円。24カ月契約の長期プランだと、初期費用無料で月額1万5000円のみが掛かる(全て税別)。
キヤノンMJでは、Safie Pocket2の取り扱いを始めた理由について、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、ニューノーマル時代の事業継続では感染から身を守る「非対面」や「非接触」の業務スタイルが浸透し、建設/製造/医療の現場で、遠隔モニタリングや遠隔臨場などリモート現場を支援する需要が高まっていることを挙げる。
その点、Safie Pocket2は、コロナ禍での非対面や非接触での業務を実現し、人手不足が懸念されている現場での作業支援や現地調査で、音声とリアルタイムの映像確認によって、現場での作業人数の削減にも貢献する。さらに人と人との接触が無くなるため、新型コロナウイルス感染防止とともに、訪問に伴う移動時間やコスト削減にもつながることが見込まれる。
キヤノンMJ社内でも、ネットワークカメラの工事関連部門で、設置前の現地調査、工事作業中の安全確認、設置後の作業完了確認にSafie Pocket2を活用している。さらに、作業状況の録画データも、完成検査のエビデンスや作業内容の改善などに利活用することで、導入前と比べて200%の業務効率アップを目指している。
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