揺れや傾きが生じても水平映像を映す衣服装着型ウェアラブルカメラ:ビルメンヒューマンフェア&クリーン EXPO2020
ザクティエンジニアリングサービスは、カメラに揺れや傾きが生じても、水平を維持した映像が出力可能な業務用ウェアラブルカメラ「CX-WE300」を開発した。CX-WE300は、以前に発売したヘルメット装着型「CX-WE100」とは異なり、衣服装着型で、レンズカバーの開閉で録画の開始と停止ができるレンズカバー録画ボタンを新たに搭載している。
ザクティエンジニアリングサービスは、清掃と衛生に関する資機材展「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2020」(会期:2020年11月11〜13日、東京ビッグサイト)で、2020年12月中に発売予定の業務用ウェアラブルカメラ「CX-WE300」を披露した。
IP65に適合で降雨でも使用可能
CX-WE300は、複雑な揺れを電子的に補正する画像処理技術「エクスタビライザ」を搭載しているため、カメラに360度の傾きが生じても常に水平を維持した映像を出力し、建設現場や保守・点検の作業員、警備員などが、移動しながら映像を収集するのに役立つ。
ロボットやドローン、重機などに取り付けて、映像のストリーミング配信や記録も可能で、監視者または技能者は、揺れのない現場映像で、画像酔いによるストレスを感じず、遠隔で作業支援やモニタリングが行える。
また、エクスタビライザで、揺れ補正用のジンバル機構など大きな駆動装置が不要となり、カメラ本体の小型化と軽量化に成功している。カメラの防塵(ぼうじん)・防水性能はIP65に適合しており、粉塵(ふんじん)や降雨など厳しい環境でも映像を撮れる。
ザクティエンジニアリングサービスの担当者は、「CX-WE300は、2019年11月にリリースしたヘルメット装着型の業務用ウェアラブルカメラ“CX-WE100”とは異なり、固定式クリップで衣服に着けられるタイプだ。レンズカバーの開閉で録画の開始と停止ができるレンズカバー録画ボタンが付いており、素早い撮影と誤操作の防止を実現している」とCX-WE300の特徴について説明した。
CX-WE300の電源供給と映像のアウトプットは、スマートフォンやタブレット、PCに、Type-AのUSBケーブルを接続することで可能になる。
本体のサイズは、レンズの凸部を除き、56(幅)×53(奥行き)×105(高さ)ミリで、重さはUSBケーブル込みで約170グラム。筐体はアルミと樹脂製のカバーで構成され、動作保証温度はマイナス5度〜プラス50度。
カメラは、イメージセンサーに「1/2.3型 CMOSイメージセンサーSTARVIS」を採用しており、総画素数は約1230万画素。レンズは185度広角レンズ。画角は水平が90度で、垂直は58度、VGA時は垂直が73度。最低被写体照度は0.75ルクスで、オートバランスは、オート、晴天、曇天、蛍光灯、電球の5種類。ISO感度上限値6400/1万2800で、ズームは2〜4倍に対応。
動画のフォーマットはMotion JPEGで、音声フォーマットはPCM(mono)。解像度は、Full HD、HD、VGAに応じており、フレームレートは30p、10p、5p。
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