ウェアラブルカメラ購入で無料利用、中小ゼネコンが評価する動画通信システム:現場管理(1/2 ページ)
インフィニテグラは、WebRTCサーバを活用した通信システム「RazVision WR クラウド版」を開発した。現場と指令所との動画交信を実用レベルかつ安価で実現する点が中小建設会社に評価されている。
インフィニテグラは、「ワイヤレスIoT EXPO2019」(会期2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト/ワイヤレスジャパン2019併催)で、中小規模のユーザーを対象とした通信システム「RazVision WR クラウド版」を展示した。
P2P通信でサーバの負荷と維持費の大幅な削減を実現
RazVision WRクラウド版は、インフィニテグラが販売するウェアラブル小型カメラを購入することで、無料で使用できる通信システム。ウェアラブル小型カメラに接続されたAndroid端末とPC間における動画や音声の交信を可能にしている。撮影した映像はGoogle Chromeブラウザを介して、各デバイスで確かめられる。
主な使用用途は、現場への作業支援や遠隔保守、予知保全だ。撮影データを、ブラウザ上からPCでWebM形式で録画可能なため、時間を選ばず作業員の行動なども調べられる。
収録した映像の送信は、ウェアラブル小型カメラに接続したAndroid端末から専用アプリで、LTEや3Gの公衆回線を用いて行う。Android端末とPC間は動画と音声が利用できるが、Android端末同士では音声のみとなる。
各端末間の通信は、リアルタイムコミュニケーション技術「WebRTC」を利用。動画データのやりとりは基本的にブラウザ間のP2P(Peer to Peer)通信で行うことで、サーバの負荷と維持費の大幅な削減を実現している。
インフィニテグラ担当者は、RazVision WRクラウド版について「中小の建設会社で、現場と本社間の通信で活用されている。ウェアラブル小型カメラの購入費だけで、通信システムを利用できるという点が評価されている」と語った。
この他、使用するWebRTCサーバは、インフィニテグラがデータセンターで管理することに加えて、システムは、同社が販売するウェアラブル小型カメラのみで作動する仕組みだ。また、対応している動画サイズは、画素数が640×480ピクセル、フレームレートが5fpsとなる。
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