各社のコロナ対策やフルハーネスの法令動向、作業効率を高める製品が関心を集める:2020年BUILT年間記事ランキング(2/2 ページ)
2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、政府が2020年4月に緊急事態宣言を発令し、不要不急の外出を避けることを推奨した結果、各社で在宅勤務が急速に普及しました。建設業界の方々にとっては、テレワークの導入やテレビ会議システムの活用、現場の遠隔監視を実現するソリューションの採用など、従業員が新型コロナウイルスに感染しないための手法について考えさせられた1年になったのではないでしょうか。そんな中、BUILTで2020年に公開された記事の中から、1年間の閲覧ランキングトップ10を紹介します。
従来品の3分1の重さを実現したメジャー
新型コロナウイルス感染症に関する記事がランキングの大部分を占める中、3位には2019年に引き続き、「2月1日から建設業で5m以上の高所は“フルハーネス原則化”、新構造規格への適合も」がランクインし、4位には「大成建設が開発した50gの“くるくるメジャー”、一般向け販売も」が入り、10位には、「シャープと清水建設が作業員1人で配筋検査を行える新システムを開発」がランクインしました。
3位の記事では、厚労省が2019年2月1日に施行した、“フルハーネス型”墜落制止用器具(旧名称:安全帯)の原則使用などを盛り込んだ改正政省令をまとめています。改正政省令では、建設業における高さ5メートル以上の高所作業でフルハーネスの着用を原則可している他、規定の高さ以下では、引き続き「胴ベルト型(一本つり)」の使用を認めています。
また、2019年1月25日に、厚生労働省が公表した「安全帯の規格の全部を改正する告示」の内容にも触れており、フルハーネスや胴ベルト、命綱となるランヤードなどの使用高さの制限をはじめ、墜落制止用器具の構造、部品の強度などに求められる要件と、それを検証するための試験方法を紹介しています。
4位の記事で扱っている「くるくるメジャー」は、大成建設と新潟精機が共同で開発した小型・軽量の汎用型スチールメジャーで、従来品が重さ約300〜400グラムだったのに対し、約3分の1以下となる約50グラムを実現しています。
また、本体のスライドパーツ裏面に設置されたマグネットを用いて鉄筋などの計測物に直接取り付けられ、メジャー2台を十字に組み合わせ、配筋写真撮影時のクロス式ロッドとして使えます。さらに、本体は、10センチ単位で紅白に配色した目盛(めもり)と、1ミリ単位の目盛を両面に表示しているため工事記録用に撮影した写真上で寸法確認がしやすいです。
9位の記事では、シャープと清水建設が開発した配筋検査システムを採り上げています。新システムは、作業者1人で専用のカメラを使って、測定と証明写真の撮影が可能で、従前のものと比べ工程の省力化と省人化が進められ、複数の画像を自動で合成できるので、短時間で広範囲の検査が行えます。
BIM第一人者の連載がスタート
今回惜しくも、ランキングに入りませんでしたが、2020年には、Revitユーザー会の初代会長を務めたBIM第一人者の大和ハウス工業 伊藤久晴氏が、自身のBIM挑戦への集大成と位置付ける寄稿「BIMで建設業界に革命を!〜10兆円企業を目指す大和ハウス工業のメソッドに学ぶ」が月刊で連載を開始しました。現在、12回まで公開されており、好評を博しています。
以上のように、2020年は、業界における新型コロナウイルス感染症対策や生産性向上を実現する製品などが注目を集めました。BUILTでは、業界の課題をテクノロジーで解決するをテーマに掲げ、今後も業界の問題を解消する技術を取材し、伝えていきます。
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