調査リポート
建設技術者の2020年需給動向、9カ月間連続で有効求人倍率は前年同月を下回る:産業動向(2/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年12月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、建設技術者の需給動向について1年間の動向を振り返っている。
建設技術者数は33万人で、対前年同月比5カ月連続増
建設技術職の雇用動向では、2020年10月の建設技術者数は33万人(同106.5%)となり、前年同月比でみると5カ月連続で増加した。
ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月よりも1.16ポイント低い5.86倍となった。前年同月を下回ったのは、9カ月連続となる。
有効求人数は、前年同月比96.0%となり、10カ月連続で前年同月を割り、新規求人数も同93.7%と減少に転じており、減少傾向が続くことが予測される。一方、有効求職者数は、同115.1%となり、5カ月連続で増加している。
建設技能工の雇用動向については、2020年10月のハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.43ポイント低下して5.49倍となり、8カ月連続で前年同月を下回った。
有効求人数は、前年同月比103.4%となり、2カ月連続で前年同月を上回った。新規求人数も同102.9%と前年同月を上回っている。
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