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ゼネコン7社が減収減益で増益は「鹿島」と「フジタ」のみ、2021年3月期第2四半期決算産業動向(1/2 ページ)

ヒューマンタッチ総研は、2021年3月期第2四半期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートでは、土木工事業と電気設備工事業が比較的好調な一方で、総合工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業では厳しい決算結果になったと分析している。

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 ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年11月30日、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業の6業種で分析した2021年3月期第2四半期決算から見る市場動向をリリースした。対象企業は、各業種の主要上場企業10社で計60社。

ゼネコンは9社が減収、7社が減収減益

 総合工事業(ゼネコン)の売上高は、9社が前年同四半期を下回り、うち7社が減収減益となり、増益となったのは鹿島建設とフジタ(単体)の2社のみだった(図表1)。10社合計を見ると、売上高は前年同四半期比11.9%減(第1 四半期は11.8%減)、純利益は同21.8%減(第1四半期は29.8%減)となっており、純利益についてはやや改善しているが依然として厳しい決算が続いている。

 2021年3月期の通期業績予想については、鹿島建設が売上高を上方修正、大成建設が売上高と純利益を上方修正、前田建設工業が売上高を下方修正、純利益を上方修正、戸田建設が売上高、純利益ともに下方修正している。


【図表1 総合工事業主要10社の2021年3月期第2四半期決算(連結)の実績】 出典:各社の2021年3月期第2四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成 ※フジタについては非上場のため同社より取得した決算資料より作成

土木は4社が増収、2社が増収増益、10社合計でわずかながら減収減益に転じる

 土木業の売上高は、4社が前年同四半期を上回り、NIPPOとピーエス三菱の2社が増収増益となった(図表2)。10社合計を見ると、売上高は前年同四半期比1.9%減(第1四半期は2.8%増)、純利益が同1.0%減(第1四半期は7.8%増)と減収減益に転じた。純利益では道路舗装業界トップのNIPPOが前年同四半期比74.7%増と大幅な増加となっており、業界をけん引している。

 2021年3月期の通期業績予想についても、10社ともに変更はなく、10社合計の減収減益幅も小さいことから、ほぼ業績予想の範囲内の決算結果であると考えられる。


【図表2 土木工事業主要10社の2021年3月期第2四半期(連結)の実績】 出典:各社の2021年3月期第2四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

電気設備は7社が減収、6社が減収減益、10社合計でも減収減益

 電気設備工事業の売上高は、7社が前年同四半期を下回り、6社が減収減益だった(図表3)。10社合計では、売上高は前年同四半期比3.2%減(第1四半期は0.2%増)、純利益が同5.0%減(第1四半期は7.6%減)と減収減益となったが、利益面ではやや改善されている。

 なお2021年3月期の通期業績予想では、中電工が純利益を上方修正している。


【図表3 電気設備工事業主要10社の2021年3月期第2四半期(連結)の実績】 出典:各社の2021年3月期第2四半期決算短信よりヒューマンタッチ総研が作成

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