建設技術者の2020年需給動向、9カ月間連続で有効求人倍率は前年同月を下回る:産業動向(1/2 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年12月分のマンスリーレポートを公表した。今月のトピックスでは、建設技術者の需給動向について1年間の動向を振り返っている。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年12月16日、国内における建設業の人材市場動向をまとめたマンスリーレポート「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2020年12月」をリリースした。
今月のトピックスでは、データが公表されている2020年の1月から10月までの建設技術者の需給動向についてまとめ、1年間を振り返った。
■2月以降、9カ月間連続で建設技術者の有効求人倍率は前年同月を下回る
建設技術者(建築・土木・測量技術者)の有効求人倍率は、2020年2月以降、9カ月連続で前年同月を下回り、建設技術者の需給は徐々に緩和されてきている(図表1)。
2020年1月の有効求人倍率は、6.86倍で前年同月をわずかに上回っていたが、2月には前年同月を0.13ポイント下回って6.65倍となった。その後、新型コロナウイルス感染症が一気に拡大し、4月7日に政府から「緊急事態宣言」が発出されたこともあり、有効求人倍率は低下傾向が続き、9月には前年同月を1.19ポイント下回る5.70倍にまで落ち込んだ。
■10カ月連続で有効求人数は前年同月を下回る
有効求人数と有効求職者数について、対前年増減率の推移をみると、企業の求人意欲をあらわす有効求人数は、全ての月で前年同月を下回った(図表2)。5月には対前年増減率は▲11.9%となっており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、建設技術者への求人意欲が低下していることが分かる。一方、有効求職者数についてみると、飲食業やサービス業など不況の影響からか6月以降は、前年同月を上回り増加傾向が続いている。
有効求人数は、5月を底に徐々に回復してきていることから、今後、新型コロナウイルス感染症が順調に収束に向かえば、建設技術者への求人意欲はこれ以上大きく落ち込むことはなく推移することが予測される。
建設業就業者数は500万人で増加、新規求人数は7万5888人で減少
雇用関連の月次データでは、2020年10月の建設業就業者数は500万人(前年同月比101.2%)、雇用者数は408万人(同100.2%)でともに増加した。
一方、公共職業安定所(ハローワーク)の新規求人数は、7万5888人(同98.4%)と減少に転じた。
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