ホテル椿山荘東京の庭園に雲海、特殊装置で園内を雲が覆う:プロジェクト
ホテル椿山荘東京は2020年10月1日に、東京都文京区の同ホテルにある庭園で、6つのプロジェクト「東京雲海」「千の光のライトアップ」「聴蟲(むしきき)&時の鐘」「祈り星」「オーディオガイド」「椿山復活プロジェクト」をスタートする。
ホテル椿山荘東京は2020年10月1日、東京都文京区にある同ホテルの庭園で6つのプロジェクトを始動するにあたり、同年9月16日に記者発表会を開催した。
2022年までに藪椿を1万本植樹
冒頭、ホテル椿山荘東京 総括支配人 山下信典氏は、「今回スタートする6つのプロジェクトは、ホテル椿山荘東京が開業70周年を迎える2022年10月に全て完了する。2020年10月1日には、全プロジェクトのうち5つを公開する」と説明した。
6つのプロジェクトは、「東京雲海」「千の光のライトアップ」「聴蟲(むしきき)&時の鐘」「祈り星」「オーディオガイド」「椿山復活プロジェクト」から成る。椿山復活プロジェクトは2022年10月1日の完成を目指し、東京雲海や千の光のライトアップ、聴蟲&時の鐘、祈り星、オーディオガイドは、計画が完了しており2020年10月1日から披露する。
東京雲海では、高性能な日本製ノズルを庭園内に複数配置し、霧や雲と同じ約10〜20ミクロンの細かい水を均一に発生させるとともに、雲を噴出する装置「ダ・ヴィンチ・ヘッダー」で園内に濃霧を作り出し、海のように見える雲「雲海」を表現する。雲海は、両装置により、庭園内の幽翠(ゆうすい)池や雲錦(うんきん)池、赤い弁慶橋、ほたる沢付近、料亭「錦水」のエリアなど合わせて全体の4分の3を覆い、霧の粒が細かいため来園者は濡(ぬ)れない。
千の光のライトアップでは、「庭園に広がる自然を夜でも美しく体感」をコンセプトに、庭園に設置した1000基のLED投光器が、三重塔や羅漢石(らかんせき)といった史跡、園路、五丈滝などを照らす。
聴蟲&時の鐘では、立体サウンドシステムにより、庭園内で蟲の鳴き声や鐘の音を楽しめる。聴蟲では、幽翠池付近で松虫や鈴虫、轡(くつわ)虫、蟋蟀(こおろぎ)、螽斯(きりぎりす)の鳴き声を聞け、時の鐘では1670年代に、目白不動尊の境内にあった鐘の音を東京雲海の発生に合わせて響かせる。
祈り星では、流れ星をイメージして、LED投光器で光を庭園内に放射し、19時30分と21時30分の1日2回行う。オーディオガイドでは、スマートフォンを用いて、指定のブラウザまたは専用アプリで、庭園内にある各スポットの解説を聞くことができ、音声は日本語、英語、中国語に対応している。
椿山復活プロジェクトでは2020〜2022年にかけて、庭園内に藪(やぶ)椿を合計1万本植える。現在、庭園内には100種約1000本の椿が点在しているが、咲く時期がそれぞれ異なり、南北朝時代から江戸時代まで見られた椿山の景色を再現できていないため、今回のプロジェクトによりかつての椿が咲き誇った景観を取り戻す。
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