竹芝ウォーターフロント再開発の名称が“WATERS takeshiba”に、2つの四季劇場など2020年開業:再開発
JR東日本は、浜離宮恩賜庭園を臨む竹芝エリアで進めている開発計画の名称を「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」に決定した。プロジェクトでは、水辺の景観を生かしつつ、文化・芸術の核となる劇団四季の2劇場を中心に、日本ホテルの26階建て宿泊施設などを整備する。
JR東日本は2019年2月5日、竹芝ウォーターフロントで開発を進めている計画地を「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」と命名したことを公表した。
文化・芸術を核に、水辺環境を活用した複合型まちづくり
WATERSの複数形の“S”には、心地よい水辺のもと、多様な居場所や文化・芸術・アクティビティーが生まれる期待を込めている。ロゴは、「変わらない本質」や「都市」を感じさせるゴシック体の「WATERS」と、「文化・芸術」「波」や「自然」を感じさせる筆記体の「takeshiba」で構成した。
開発計画では、“つぎの豊かさを生み出すまち”をビジョンに掲げ、劇団四季による文化・芸術の発信拠点を核に、水辺と浜離宮恩賜庭園を臨む立地環境を最大限に生かし、新しいまちづくりを推進する。
具体的には、I期・II期でプロジェクトを進め、I期では高層棟と駐車場棟を新設。高層棟は、地下を駐車場とし、1〜4階にアトレの商業テナント、5〜14階にジェイアール東日本ビルディングのオフィス、16〜26階に日本ホテルが運営する265室のホテルを配置する。高層棟は地上26階・地下2階で、延べ床面積6万2300m2(平方メートル)。
敷地西端の駐車場施設は、地上10階・地下1階で、延べ床面積1万2200m2。収容可能台数は430台を見込む。
II期工事では、一つの建物内に、劇団四季の劇場「春」「秋」の2館を有する劇場棟を新設。エリア内には既存の「自由劇場」を含めて、3館の劇場が集積することになる。劇場棟は、地上6階・地下1階で、延べ床面積2万8100m2。
WATERS takeshibaのプロジェクトでは、設計がジェイアール東日本建築設計事務所、施工は清水建設がそれぞれ担当する。
施設計画以外にも、離宮や水辺の自然環境を感じられる、パブリックな「広場」と「テラス」を整備。訪れた人が思い思いに観劇後の高揚感に浸ったたり、風を感じながら仕事したり、景色を眺めながら食事をとるなど、多様なアクティビティーや文化が生まれる環境を創出する。
計画地は、JR浜松町駅にほど近い都心にありながら、前面に水辺や浜離宮恩賜庭園という豊かな地域資源を擁した希少な立地にあたる。プロジェクトでは、国土交通省が推進する水辺の新しいまちづくり活動「ミズベリングプロジェクト」の趣旨に賛同しており、「ミズベリング竹芝」として社会実験や環境調査などを実施している。
今後は、東京湾最奥部に位置する竹芝地区の活性化に向け、竹芝エリアマネジメントと連携し、関係者と協議を重ねつつ、近隣エリアを船でつなぐ「舟運(しゅううん)の活性化」、貴重な生態系が残る水域環境の「環境再生・学習の場づくり」などを検討していくという。
WATERS takeshibaの開業時期は、I期の高層棟と駐車場棟が東京2020オリンピック・パラリンピック前の2020年4月。劇場棟は、それ以降段階的に、2020年内の開業を目指す。
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