街と森の共生を目指す竹中らの「キノマチプロジェクト」、集大成のWebイベントが10月に開催:木材利用の促進
竹中工務店は、2019年に設立した木を都市空間で活用することを目指した「キノマチプロジェクト」として、各種オンラインとオフラインのイベントや交流機会の創出など、多面的な活動を展開している。2020年10月5日には、集大成ともいえる一大イベントを5夜連続で開催する。
竹中工務店は、Deep Japan Lab、NPO法人のグリーンズと、共同プロジェクト「キノマチプロジェクト」を2019年6月に立ち上げた。
キノマチプロジェクトは、街と森がともに生かし合う関係が成立した地域社会“キノマチ”を実現するため、街づくりや森づくりのプレイヤーたちが、一緒に学び、行動を起こしていく活動体。木材を中心とした森林資源を都市空間で多用することで、木をめぐる社会問題を解決する足掛かりとなることを目指している。
以降、プロジェクトでは、木のまちづくりのリーダーとのリアルイベントやfacebookグループといったオンライン/オフラインでの交流の場「キノマチ会議」をはじめ、木に関するWebマガジン「キノマチウェブ」や日本の木の文化などを事例や最新の研究成果を解説した「木のまちづくりハンドブック」の発刊などを積極的に展開してきた。
この活動の一環で、2020年10月5日から5夜連続でこれまでのキノマチ会議の集大成的なイベント「キノマチ大会議」を開催する。「木のまち」をつくる全国の仲間をオンラインに集め、知恵を共有して、未来のためのアイデアを生み出す。メインテーマは、「まちと森がいかしあう社会をつくる」。建築、街づくり、林業、デザイン、メディアなどさまざまな分野の人が、それぞれの領域を超えてこのテーマについて考える場となる。5日間に渡り、毎晩さまざまなテーマでチャレンジャーのトークセッションを繰り広げるという。
「キノマチ大会議」概要
日程:2020年10月5〜9日 計5日間
配信方法:オンライン(Zoomの「ウェビナー」形式で配信)
参加費:各日チケット 1000円、通しチケット 3000円(5日分)
申込方法:チケットサービス「Peatix」で、事前に要申込み
Peatix URL:https://kinomachi‐daikaigi‐2020.peatix.com
主催:キノマチプロジェクト(グリーンズ、竹中工務店、Deep Japan Lab)
開催日 | 開催時間 | テーマ | 出演者(敬称略) |
---|---|---|---|
10月5日(月) | 19:00〜21:00 | 『都市木造とこれからの建築』 | 秋吉浩気(VUILD)、腰原幹雄(東京大学生産技術研究所/team Timberize)、松岡正明(竹中工務店)、内藤麻美(新建築) |
10月6日(火) | 19:00〜21:00 | 『森をいかし、森にいかされるまちをつくる』 | 松本剛(飛騨の森でクマは踊る)、奥田悠史(やまとわ)、高浜洋平(竹中工務店)、岡野春樹(Deep Japan Lab)、植原正太郎(グリーンズ) |
10月7日(水) | 19:00〜21:00 | 『暮らしからはじめるキノマチ』 | 來嶋路子(ミチクル編集工房)、河野直(つみき設計施工社)、志?浩?&畠山千春(いとしまシェアハウス)、植原正太郎(グリーンズ) |
10月8日(木) | 19:00〜21:00 | 『森の中からこれからの時代の産業を生み出す』 | 青木亮輔(東京チェンソーズ)、麻生翼(森の生活)、林千晶(ロフトワーク/飛騨の森でクマは踊る)、岡野春樹(Deep Japan Lab) |
10月9日(金) | 19:00〜21:00 | 『ポストコロナ時代の森との関わり方』 | 小野なぎさ(森と未来)、齋藤光(高知県佐川町 自伐林業家)、三浦豊(森の案内人)、岡野春樹(Deep Japan Lab) |
ITmedia Virtual EXPO 2020 秋「Building × IT EXPO」【9月30日迄 開催中】
基調講演:
『デジファブで実現する“withコロナ時代”の建築モノづくり』
現場第一主義が根強く、働き方や新技術などの変革が難しいとされる建設業界――。だがそのような状況下にあって、デジタルファブリケーションで建築の常識を根本から覆そうとするスタートアップ企業に、業界内外からの注目が集まっている。
有望な若手建築家に与えられる数々の賞を受賞した、秋吉浩気氏率いる建築家集団「VUILD」がそれだ。2020年5月には、在宅での建築モノづくりをコンセプトにした「EMARF 3.0」を発表。まさにいま必要とされるwith/afterコロナ時代の新たな建築手法を提示している。本講演では、既存建築の殻を破るVUILDの果敢な挑戦を、秋吉氏自身が紹介する。
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