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竹中工務店の最新木造・耐火技術を結集した12階建てRC+木造建築が竣工プロジェクト(1/2 ページ)

竹中工務店は、戦後すぐに植林された人工林が伐採適齢期を迎えている状況を受け、積極的に木造建造物の開発を推進し、耐火や剛性に優れた木製部材や技術の開発にも注力している。

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 竹中工務店が東京都江東区で開発を進めていた単身者向け社宅「フラッツ ウッズ 木場」が2020年2月14日に竣工した。

強度と硬さを備えた耐火部材を採用

 フラッツ ウッズ 木場は、RC造+木造12階建てで免振構造で、総戸数は252戸。所在地は東京都江東区東陽3丁目。設計・施工は竹中工務店が担当し、運営は大和ライフネクストが担う。用途は独身者用家具とサービス付き賃貸住宅。2020年3月に開業している。

 最上階に位置する共用のカフェテリアやフィットネスルーム、スタディールームをはじめ、高層ビルの内外装に木が“現(あらわ)し”の木造部材や木質建材を取り入れることで、柔らかな風合いを表現している。


フラッツ ウッズ 木場の外観(左)と内観(右)のイメージ 出典:竹中工務店

 フラッツ ウッズ 木場では、竹中工務店が開発した耐火集成木材「燃エンウッド」に鉄筋を内蔵した「燃エンウッドSAMURAI」や耐震補強工法「T-FoRest Wall(CLT壁)」などの新木造技術を初適用している。

 燃エンウッドSAMURAIは、2時間の耐火構造を有す燃エンウッドの荷重支持部に鉄筋を埋め込むことで、強度と硬さを付与したハイブリッド部材。燃エンウッドSAMURAIを使用することで、木造では困難だった大スパンの空間設計が可能になる。


従来の燃エンウッド(左)と燃エンウッドSAMURAI(右)の断面 出典:竹中工務店

 T-FoRest Wallは、木質パネルを利用した耐震壁でRC造の建物を耐震補強する。今回組み込まれたCLT壁タイプは、間伐材や伐採適齢期を迎えた杉材を素材に用いることで、環境への付加も低減している。重さはコンクリートの約6分の1で、大規模重機を使用せずに施工でき、接着工法で安定した品質の確保も容易で、騒音と振動を伴う工程もほとんど無い。条件によっては木を現しで使えるのも特徴だ。


T-FoRest Wallのイメージ 出典:竹中工務店

 この他、CLT床同士を一体化する接合方法「ウェイブコッター」や木質耐火被覆による極細RC造柱「木巻ペンカラム」、蝶の形をしたCLTブロックを積み上げた壁「CLT エストンブロック」なども初採用された。


フラッツ ウッズ 木場で初採用された最新の木造と防耐火技術 出典:竹中工務店

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