職人と一緒に働く「トモロボ RTM1-X1-A1」に、省人化を実現するサポート装置が登場:メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020(2/2 ページ)
建ロボテックは、人と協働して鉄筋結束を行うロボット「トモロボ」に、横移動を可能にする補助装置「トモロボスライダー」を2020年7月に発表した。トモロボスライダーの導入で、これまで2人必要だったロボットのオペレーターが1人で済むようになり、一層の作業性が向上した。
トモロボは1日8100カ所を安定的に施工
トモロボスライダーは、トモロボが作業する始点と終点のそれぞれに設置して使用する。トモロボがスライダーに乗り上げると、シーソーの原理で本体が浮き上がる。本体の運搬用取手を引けば、横にスライドする仕組みだ。トモロボスライダーを用いることで、オペレーターの作業ロスが大幅に軽減し、現場には1人の作業員を配置するだけで済むようになった。
通常、鉄筋結束の作業は、熟練した職人でも1日に結束できるのは、6500カ所ぐらいだという。しかも夏場や冬場などは、作業効率が30%以上落ちてしまう。しかしトモロボであれば、安定して1日8100カ所のペースで稼働する。仮に1人で2〜3台のトモロボをオペレーションすれば、生産効率が大きく向上する。
同社は、マックスが大径鉄筋対応の大口径モデル「RB-610T」をしたのをきっかけに、鉄筋径D16×D16〜最大D38×D16×D16まで結束できるロボットを開発中。このサイズの鉄筋は、建築現場ではビル・マンションの梁(はり)柱や耐圧スラブ、土木現場では橋梁(きょうりょう)やトンネルなどでの結束で多用されているという。
ブースでは、新ロボットのモック(模型)が展示されていた。新ロボットが発売されればトモロボの活躍の場がより広がり、職人の負担がより軽減されるだろう。希望小売価格はトモロボが220万円。トモロボスライダーは、5万5000円(ともに税別)。
総力特集:
メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に焦点を絞った建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」が2020年7月29日、インテックス大阪で開幕する。
コロナ禍の中で、ひさびさとなる建設展の開催となった本展では、インフラ検査・維持管理をはじめ、建設資材、防災・減災、i-Construction、労働安全衛生など、最先端の資機材やサービスが一堂に会する。特集ページでは、会場でのブース取材やセミナーレポートで、インフラの最新テクノロジーや市場動向を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 鉄筋工事の単純重作業“結束”を12時間行う製品化に成功した「トモロボ」、38%の省力化を実証
EMOは、「建築・建材展2019(第25回)」に出展し、鉄筋の結束工事を半自動化するロボット「トモロボ」を初公開して実演デモンストレーションを行った。 - 竹中工務店×NTTドコモが建築現場のDXで連携、“ニューノーマル”時代の働き方改善へ
竹中工務店とNTTドコモは、建築現場のデジタル変革に向けて協力関係を築き、業界全体を巻き込んで、“ニューノーマル”時代にオープンかつスタンダードとなり得る新たな働き方を構築する。 - 複数ロボが連携する制御技術を技研本館に実装、清水建設
清水建設は、建物内で複数のロボットがエレベーターに順番に乗り込み、ロボット同士が狭い通路を譲り合って通る統合制御技術を開発した。将来は、1棟のビル内で用途の異なるロボットを複数導入して、新たな総合的なサービスの提供を構想している。 - 建材の自動搬送ロボがエレベーターと連動し上下階の揚重を実現、戸田建設
戸田建設は、水平自動搬送システムに工事用エレベーター(EV)を連動させた垂直・水平自動搬送システムを開発した。これまで運用してきた水平搬送AGV(Automated Guided Vehicle)「T-CART(ティーカート)1000」による建築資機材の同一階への自動搬送に加え、上下階の揚重も自動化することで、建設現場での搬送作業の省力化が見込める。