竹中工務店×NTTドコモが建築現場のDXで連携、“ニューノーマル”時代の働き方改善へ:産業動向(1/3 ページ)
竹中工務店とNTTドコモは、建築現場のデジタル変革に向けて協力関係を築き、業界全体を巻き込んで、“ニューノーマル”時代にオープンかつスタンダードとなり得る新たな働き方を構築する。
竹中工務店とNTTドコモは、建築現場における「人」の活動に焦点を当てたデジタルトランスフォーメーション(DX)の共同検討に着手することで合意した。
今後両社は、現場を第一とするデジタル変革に向けた各種ワーキンググループを設置し、個人スキルへの依存やアナログなコミュニケーションスタイルといった旧来からの業務形態を変え、建築現場の最前線で“働き方の新しいスタンダードモデル”の構築を目指す。
開発のスケジュールとしては、2020年第2四半期から検討を開始し、その後、竹中工務店施工の現場での試行を予定。複数あるソリューションの中でも実用化が早いものであれば、社外への提供も含めた2020年度内の事業化も見込んでいる。
建築現場の働く人に新たなスタンダードモデルを提示
2020年7月14日にオンラインで開催された記者会見では、竹中工務店とNTTドコモがこれまでの経緯とDX構想についてプレゼンした。
竹中工務店 取締役 専務執行役員 篠井大氏は、両者が連携するに至った背景について、「近年、建設業界でも、ロボットやAIなど、高度なデジタル技術による業務改善は進みつつある。しかし、現場では、建設技能労働者を含め個人のスキルやアナログのコミュニケーションにまだまだ依存しており、他産業と比べてもデジタル化は遅れている」と指摘。
そこでNTTドコモとともに、「建設現場の最前線にいる人々に着目して、人の動きやコミュニケーション、情報伝達をデジタルでサポートして、ワークスタイルの改革を共通課題に定めた」。
実現のためには、「当社が持つ建築現場の知見と、NTTドコモが有するDXのノウハウを融合させるだけでなく、優れたスタートアップ企業とのアライアンスも見据える。最終的には、1企業だけにとどまらず、業界全体の付加価値や魅力アップにつながる取り組みにしていきたい」と語った。
NTTドコモ 常務執行役員 法人ビジネス本部長 坪内恒治氏は、「建設業界では、労働力不足や職場環境の改善が求められており、課題解決に向け、竹中工務店と意思が合致したことで共同検討する運びとなった。生産性の向上や働き方改革に加え、コロナ禍の中で、ニューノーマル時代の働き方についても検討していきたい」と抱負を述べた。
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