技術者の国際的な人材流通が増加、厚労省のデータから:建設業の人材動向レポート(21)(2/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をさまざまな観点からレポートしている。今回は、厚労省の「職業紹介事業報告」を基に建設業における転職動向をリサーチした。
■主要技術職では就職件数も大幅に増加
就職件数を見ると、2018年度において就職件数が最も多いのは「情報処理・通信技術者」であり、2014年度の1万8114件から3万5965件(2014年度比198.5%)で約2倍に増加した。また、建設技術者は2014年度の6235件から2018年度には1万3650件(同218.9%)に増加しており、最も増加率が高くなっている。
■技術者の国外にわたる就職が大幅に増加
次に、国外にわたる職業紹介の実施状況の推移を主要技術職について見ると、最も多いのは製造技術者で、2014年度の74件から2018年度には637件に増加している。次いで、開発技術者が同じく54件から255件、情報処理・通信技術者は29件から232件、建設技術者は8件から150件となり、どの分野の技術者も大幅に増えている(図表7)。
■まとめ
有料民営職業紹介事業所の事業所数は年々増加し、2018年度における就職件数は69万3300件(2014年度比134%)となり、転職市場における存在感が高まっている。技術職における就職件数はとくに増加しており、情報処理・通信技術者の就職件数は3万5965件(同198.5%)、建設技術者は13,650件(同218.9%)と大幅に急増している。
また、専門的技術的職業の国外にわたる就職件数も増加しており、技術者の国際的な人材流通も増えてきていることが分かる。
著者Profile
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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