技術者の国際的な人材流通が増加、厚労省のデータから:建設業の人材動向レポート(21)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をさまざまな観点からレポートしている。今回は、厚労省の「職業紹介事業報告」を基に建設業における転職動向をリサーチした。
今回は、民営職業紹介事業所における就職動向をまとめた厚生労働省の「職業紹介事業報告」について紹介する。職業紹介事業報告とは、職業紹介事業者が年度毎の運営状況を厚生労働大臣に提出した報告書の集計結果であり、民営職業紹介事業所における新規求職申込件数、常用求人件数、就職件数などのデータが集計されている。
■2018年度、有料民営職業紹介事業所数は大幅に増加し2万2,977事業所となる
有料民営職業紹介事業所(いわゆる人材紹介会社)の事業所数の推移を見ると、2014年度の1万7893事業所から増加傾向が続き、2018年度には前年度比110.6%と大幅に増加して2万2977事業所(2014年度比で128.4%)となった(図表1)。
厳しい人材不足を背景に、民営職業紹介所は増加していることが分かる。
■常用求人数は654万4405件、新規求職申込件数は1697万5427件
有料民営職業紹介事業所における新規求職申込件数と常用求人数の推移を見ると、常用求人数は2014年度の436万8574件から増加傾向が続き2018年度には654万4405件(前年度比109.0%)となった。一方、新規求職申込件数は年度ごとに増減を繰り返し2018年度は1697万5427件(前年度比93.4%)となった(図表2)。
■就職件数は増加傾向が続き、2018年度には69万3300件となる
就職件数を見ると、2014年度の51万8328件から2018年度には69万3300件(2014年度比134%)に増加しており(図表3)、転職市場において有料民営職業紹介事業所の存在感が高まっていることが分かる。
■主要技術職種では新規求職申込件数、常用求人数ともに大幅に増加
次に、主要技術職について新規求職申込件数と常用求人数の推移を見ると、どちらについても増加傾向となっている。
情報処理・通信技術者の新規求職申込件数は2014年度の28万1307件から2018年度には49万1232件(2014年度比174.6%)となり(図表4)、常用求人数も同じく36万4316件から56万322件(同153.8%)となっており、どちらも大幅に増加している(図表5)。
建設技術者についても、新規求職申込件数は2014年度の6万4105件から2018年度には11万5469件(同180.1%)で(図表4)、常用求人数も同じく7万4361件から14万6905件(同197.6%)となっており、どちらも大幅に増加している(図表5)。
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