【緊急提言】「新型コロナ」災害をBIMによる業務改革の好機とすべし!:新型ウイルス感染症の拡大で、業務改革を実現しよう!(5/5 ページ)
新型ウイルスの感染拡大により、2020年4月に緊急事態宣言が発令され、建設業界でも、新規受注の減少、設計の在宅勤務、工事中断など、多大な影響が顕在化してきている。ワクチンなどによる鎮静化をただ待つだけでなく、建設業にできることは果たして何もないのだろうか?新型コロナウイルスだけに限らず、自然災害や労働災害といった災害に対し、BIMなどの先端技術を使って何ができるのか、いま一度再考してみよう。そして、この災害を、自らの仕事を変える好機と捉え、業務改革を実現しよう。
さらにマスクをした人が咳をした場合、呼気がどのように拡散するかも解析している。
マスクを装着のシミュレーションでは、呼気は前面に飛散しない結果である。コロナウイルスが咳によって感染する恐れがあるとしたなら、マスクは必ずしなければならないということは明らかである。
こうしたCFD解析には、3次元モデルが必要となる。3次元モデルとして、RevitなどのBIMソフトのデータが活用できるため、今後はBIMと連動した解析が期待される。環境シミュレーションでは既に、外部の風・通風解析については、Revit連携ツールを開発している。
災害を好機と捉え、業務改革を起こし、前に進んでゆこう
その他、施工では、ICT建機やロボットによって、危険な作業を人間に代わって行うというようなことも、想定されるであろう。現時点では、単純作業しかできないものが多いが、ロボティクスの発展は早く、近いうちに遠隔操作の建設機械や自動施工ロボットの実用化は現実のものとなるのではと思う。
今回、私の提言で、すぐに業界が変わるというわけではないだろう。しかし、建設業界は、コロナ災害に屈してはならない。BIMを核として、これまで上述したテクノロジーを統合して活用することで、古い体質を捨て、新たな未来を手に入れよう。社員全体が意識を変え、創意工夫を行い、建設革命を起こせる企業でなければ、新しい時代に、生き残ってゆくことはできない。今こそ、その力を蓄え、そして前へ進んでゆこう!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「中断継続と再開」“緊急事態宣言”延長でゼネコン各社に違い、鹿島はGWに6割の現場閉所
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う、政府の緊急事態宣言が2020年5月31日まで延長されたことを受け、大手ゼネコでも工事中断を継続か再開か、各社それぞれで異なる方針を打ち出す動きがみられた。 - 建設業界でも新型コロナの影響は甚大、公共工事一時中止の申し出は250件に
新型コロナウイルスが建設工事そのものにも大きな影響を与えていることが明らかになった。政府が2020年4月16日、緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したことを受け、国直轄の公共工事や業務を一時中止するなどの申し出が急増している。 - 【新連載】日本のBIM先駆者が警鐘を鳴らす「なぜ日本のBIMはダメなのか?」
日本の建設業界は、低い生産性、労働者の老齢化、多くの労働災害など、市場が破綻しかねないほどに深刻な問題が目前に迫り、一刻も早く手を打たなければならない局面に差し掛かっている。特効薬となるのが、BIMとそれを核に据えたICT活用だと、今では多くの業界人が知るところだが、建設の全工程で実践活用できている企業はほぼ皆無と言えよう。2020年度に全物件で“設計BIM化”の大望を抱く大和ハウス工業で、日本のBIM開拓の一翼を担ってきた同社技術本部 BIM推進部 次長・伊藤久晴氏が、BIMを真に有効活用するための道標を示す。 - 新型コロナが建設業の採用活動に与える影響を緊急調査、人材確保の好機とみる中小も
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、全業種で「3密(密閉・密集・密接)」を避ける取り組みが進む中、アーキベースの調査により、テレビ会議システムなどを用いて、多くの会社が採用活動を行っていることが明らかになった。 - 新型コロナで、建設業界に“テレワーク”は根付くか?ヒューマン総研が独自調査
ヒューマンタッチ総研は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大を受け、国内の建設業でも普及が進むテレワークについて、独自に調査した結果をまとめた。 - ≫連載「BIMで建設業界に革命を!〜10兆円企業を目指す大和ハウス工業のメソッドに学ぶ」バックナンバー