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「中断継続と再開」“緊急事態宣言”延長でゼネコン各社に違い、鹿島はGWに6割の現場閉所新型コロナ対策(1/2 ページ)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う、政府の緊急事態宣言が2020年5月31日まで延長されたことを受け、大手ゼネコでも工事中断を継続か再開か、各社それぞれで異なる方針を打ち出す動きがみられた。

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鹿島は大型連休中に約6割の現場を10日以上閉所

 2020年5月6日まで全国の現場を一時的に閉所をすると発表していた鹿島建設にヒアリングしたところ、当初から仮に延長となった場合でも、5月7日には始業点検から工事を再開することで準備していたという。なお、大型連休中に現場を閉じた工事は、一定以上の金額の工事(土木1億円以上/建築5億円以上、全474現場)を対象に集計した結果、約6割の現場で10日以上閉めた。

 今回の期間延長については、発注者と工事を再開する方向で、あらためて十分な協議を行い、理解を得るとした。その上で、工事再開にあたっては、これまで以上の感染予防・拡大防止策を講じ、より厳格に運用することで、現場のある地域社会も含めた全ての関係者の不安を取り除き、安全・安心を確保する新たな秩序を持って、現場を運営するとした。


これまで以上の感染予防・拡大防止策で現場再開

 具体的な感染症対策では、現業部門は、時差通勤、通勤時や作業中の常時マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保をはじめ、現場入場前の検温と記録、時差・分散朝礼、休憩所の拡大・増設、喫煙所の拡大または閉鎖、資機材納入会社に対する予防・防止策など、3密の回避策を徹底する。

 管理部門は、出勤者を最低7割、極力8割削減することを目標に、現場支援その他の事業継続に支障のない態勢を採りつつ、引き続きテレワークや時差通勤を推進する。

 新型コロナウイルス感染症による工期や売上への影響に関しては、「工期は影響が出る可能性もあるが、出た場合でも、最小限となるよう全社で対応する。また、業績も、5月6日までの(限定的な)措置であれば軽微と考える」とコメントしている。

戸田建設「新型コロナウイルス対策室」を設置

 戸田建設は、独自の取り組みとして、大型連休中の5月1日に、医療用マスク(サージカルマスク、メディカルマスク)を合計60万枚、東京都が指定する都内の各医療機関へ寄贈することを決定した。

 先立つこと4月23日には、PPE(医療用マスク、非接触体温計、フェースシールド、ディスポガウンキャップ、KN95マスク、一般防護マスク)の調達ルートを確立しており、今回寄贈するマスクも同じ経路を活用して入手する。

 緊急事態宣言への対応では、5月6日まで全国で施工中の作業所を原則閉所した。期間延長後の5月7日には、長期化に備えて、きめ細かな感染対策の実施と諸問題の解決を図るため、「新型コロナウイルス対策室」を開設するなど、新たな対策を打ち出した。事業所は、在宅勤務を継続し、特定警戒都道府県へ(から)の出張は禁じ、その他地域は、出張の必要性を精査し判断する。さらに、新しい生活様式の実践として、消毒設備の設置や複数の人が使用する場所の適宜消毒、業務時の離隔距離(2メートル)の確保などを行う。

 作業所は、自社で作成した「建築・土木工事における新型コロナウイルス感染防止対応指針」に基づいた対策が整った現場から順次、発注者や協力会社と協議して再開する。指針では、現場入場時の体温測定や3つの密を避けた作業環境確保などといった感染防止対応を求める。


「建築・土木工事における新型コロナウイルス感染防止対応指針」を自社で策定する戸田建設
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