年度末商戦に最小クラスの“CAD向け大判プリンタ”をHPがリリース、10万円を切るキャンペーンも:CAD(2/2 ページ)
あるシンクタンクの調査によると、CAD/GIS向け大判プリンタの市場は、1年の中で年度末にあたる第4四半期が、最も多くの台数が出荷される時期になるという。激しい商戦が繰り広げられるこの年度末に各プリンタメーカーは例年こぞって、シェアを獲れる新機種の投入や趣向を凝らしたキャンペーンを展開している。
これだけで多様なファイルフォーマットを即プリントできる「HP Click」
建設/製造用途に適している製品という点では、搭載している独自インクがある。CMYK4色の「HP Bright Officeインク」は、発色に優れた染料のカラーインクに加え、耐水・耐久性のある水性顔料のブラックインクを採用。普通紙でもシャープで締まりのある線や文字を表現し、実施設計図や複雑な設備向け図面のカラー印刷に効果を発揮する。
他社のエントリー機との差別化では、万一のトラブル時にも、別途プリントヘッドを用意すれば、自分で交換できるというメリットがある。
また、無償で提供されるプリントソフトウェア「HP Click」も特徴の一つ。HP DesignJetの全現行モデルでの利用が可能で、Windows OS以外にも、Mac OSにも対応している。
使い方は至ってシンプルで、HP Clickをダウンロードしたデバイス上に立ち上げて、PDF、JPEG、TIFFといった各種ファイルをドラッグ&ドロップするだけ。後は用紙節約のため、複数データを並べ変えるネスティングや余白の設定をすれば、ワンクリックだけで大判メディアへの印刷が可能になる。
とくに大判プリンタに初めて触れるユーザーには有効で、事前にアプリケーションをそろえる必要が無く、プリンタドライバーも不要で、画面上ではアプリよりも操作ステップが少なく誰でもすぐに使い始められる。
なお、ゼネコンで全社導入が進んでいるiPadなど、iOSやAndroidのタブレットやスマートフォン用には、現在のところT530などを対象に、GoogleドライブやDropboxなどのクラウドサービスと連携した、より高機能なアプリ「HP Smart」が用意されている(一部の機種除く)。
日本HPの年度末に向けた大判プリンタ販売戦略はどうか?
年度末に向けた販売戦略では、日本HPのセールス担当者が「今までに無い強気の価格設定」と強調する2つのプロモーション「HP大判プリンタ早割2020&ASK HP!キャンペーン」を2020年1月9日から展開している。
※「HP大判プリンタ早割2020&ASK HP!キャンペーン」は2020年5月15日に終了しました。
早割2020では、キャンペーン価格に加えて、さらに4段階の納品時期に応じ、最大9万8000円がキャッシュバックされる(HP DesignJet T830 MFP A0のゴールド早割)。各段階で締め切りとなる製品の納品日は、最大割引きの「ゴールド早割」が1月31日まで。次のシルバー早割が2月28日、ブロンズ早割が3月31日、キャンペーン終了となる通常の早割が4月30日。日を追うごとにキャッシュバックされる金額が少額になるため、早ければ早いほどオトクになるという販促企画になっている。
対象機種は、HP DesignJet T130をはじめ、HP DesignJet T530(A1/A0)、HP DesignJet T830 MFP(A1/A0)の計5モデル。最新機種のT130は、ゴールド早割でキャッシュバック後の実質価格は10万円台を切る9万9800円〜。
同時に開催しているASK HP!は、早割の対象機種以外でも相談に応じるというもので、ハイエンド機なども好条件で購入しやすい機会となっている。また、同時に保守サービス「HP Care Pack」も用意されており、本体とセット購入で、1年保守が5%オフになるという(T830 MFP A0の場合は5年で10%オフ)。
【訂正】初出時に、「HP Click」がiPadでも利用できるとしていましたが、正しくは「HP Smart」がiOS対応です。現在は修正済みです(2020年1月17日13時21分)
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