建装材での可能性も見込める、“板材”へ直接プリント可能な「HP Latex R2000 Plusプリンタ」:建築・建材展2019
日本HPは「建築・建材展2019(第25回)」に出展し、HP Latexインク搭載機で初の板素材への印刷を可能にした「HP Latex R2000 Plusプリンタ」をPRした。環境に配慮された水性のLatexインクによるインクジェット印刷で、テーブルトップ、壁面装飾、インテリアなど、内装デザインの可能性を広げることが見込まれる。
日本HPは、「建築・建材展2019(第25回)」と第35回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2019」(「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」内、会期2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)に出展し、日本HPのソリューションを一堂に会したブース展開を行った。
環境に配慮された水性HP Latexインクで板材に直接プリント
建築・建材展では、10周年を迎えたHP Latexインクによる課題解決をテーマに、環境に配慮されデジタルプリント壁紙などの印刷に適した水性HP Latexインクを搭載したハイブリッドプリンタ「HP Latex R2000 Plusプリンタ(以下、R2000)」をメインに訴求した。
R2000は、屋外広告や販促物などで印刷基材として使われる塩ビシートやターポリンといったロール素材だけに限らず、板材(リジッド)にも直接ダイレクトプリントできる新型機。
対応するリジッド素材は、幅2.5m(メートル)、厚さ最大5cm(センチ)までのアルミ複合板、スチレンボード、発砲塩ビ、厚紙、プラスチック板、木、合板、ガラスなど。これらに直接印刷できるため、いままでのような広告・販促領域だけにとどまらず、インク成分の大半が水分に由来する環境に優しいインテリア材の表面プリントとして、新たな用途展開が見込まれる。インクジェットの印刷であれば、国内で広く流通している化粧シートや塩ビ鋼板と異なり、多様なデザイン表現の1点ものが簡単に実現し、最近高まりを見せる住宅/非住宅での意匠性の高いリノベニーズなどにも応えられる。
また従来、HP Latexプリンタのネックだった硬化温度も、低温化したことで、熱に敏感なメディアも扱うことができるようになった。
カラーもCMYKLcLmの6色に、ホワイトインクを新たに追加。これまでLatexでのホワイトインクは、沈殿し凝固してしまうため採用が難しいとされていたが、本体のチャンバーに格納してインクを循環させることで沈殿を防ぐ、独自のシステムを採用することで問題点を克服した。ホワイトの搭載により、色付き素材への光沢のある高品質な白色が表現できる他、インテリア製品にも白を美しく表現でき、よりデザイン表現の幅が広がる。
会場では、ボード素材への各種出力サンプルの展示、稼働状態を3つの色で表す「ステータスビーコン」を装備する「HP Latex 570プリンタ」が披露された以外にも、来場者はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して、仮想空間内にR2000が設置されたデモルームをVR体験した。
会場を移して、「リテールテックJAPAN 2019」のブースでは、「Reinvent Retail。店舗空間が生まれ変わる。」をコンセプトに、モバイル型・固定型両用POS「HP Engage Go」を中心に、PC、プリンター、VRのサービスなど、これからの店舗空間づくりに求められる製品群を紹介した。
展示製品は、デジタルサイネージ/POSシステム「HP Engage One」、販促印刷のプリンタでは、印刷時に両端を自動でカットするVトリマー機能を備えた水性機「HP DesignJet Z9+PS」、プリントとカット作業を同時に行え壁紙やインテリアの印刷にも使える「HP Latex115プリント&カット」の実機によるデモンストレーションを行った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 板材に直接印刷できる「HP Latex R2000 Plus プリンタ」日本初上陸、全容を探る
日本HPは、「紙、復活」をコンセプトに、ペーパーレス時代にある中、印刷のデジタル化により、必要な時に必要な分だけプリントできる「オンデマンド印刷」をPRするブース展開を行った。2018年はHP Latexプリンタが市場に登場して10年目、水性のHP DesignJetグラフィックモデルは20周年の節目の年。この機に両シリーズとも、国内初出展となる新機種を披露した。 - 隈研吾建築都市設計事務所、HPの3Dプリンタでファブリックのオブジェ製作
DMM.makeは、日本HP初の3Dプリンタ「HP Jet Fusion 3D」のサポートサービスを開始する。2018年4月25日に行われたビジネスユーザー向け説明会では、3Dプリンタの可能性を示唆する講演もあり、隈研吾建築都市設計事務所でのオブジェのパーツ製作が事例として紹介された。 - 30年以上にわたり「ミラノ・デザイン・ウィーク」のデザイン潮流を調査してきた集大成を披露、凸版印刷
凸版印刷は、長年にわたって現地調査を続けてきた国際的なデザインの祭典「ミラノ・デザイン・ウィーク」のデザイントレンドを解説するプレミアムセミナーを開催した。講師には、昨年まで凸版印刷顧問を務めた梅崎健氏(現・武蔵野美術大学客員講師)を招き、ミラノサローネのCMFP(カラー、マテリアル、フィニッシュ、パターン)の潮流を今となっては貴重になった多数の写真でひもとき、今後のトレンド予測についても解説した。 - BIMユーザーと建材メーカーをつなぐ、新プラットフォームが日本上陸
建材設備のBIMデータを無償で提供するプラットフォームサービス「BIMobject」が日本上陸。建材・設備メーカーにとっては、新しいマーケティングツールになる可能性も。