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2021年には供給過多も追い風で需要回帰へ、これからのホテル市場で勝つには何が必要か?CBRE不動産フォーラム2019(3/3 ページ)

CBREは不動産マーケットの動向をプレゼンするフォーラムを開催し、この中でインバウンド需要を受けたホテル需給の動向と展望を示した。

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国内ではまだ少ないアッパー/ブティック・ライフスタイルホテルに注目

 日本では、これまでビジネスホテルタイプの客室面積10〜15平方メートルのシングルがメインだった。確かに統計でも、2015年までの客室タイプはシングルが半数近かったが、2016年以降は一転してダブル/ツインの割合が増えている。アジアから大勢訪れるインバウンド旅行者のうち、単身はわずか2割なことがその主な要因となっている。ホテルのターゲットをインバウンド対象にするのであれば、最近出始めている4人ぐらいが泊まれる40平方メートルほどのアパートメントホテルも含めて、ダブル以上を必然的に選択することが求められる。


客室タイプの多様化

CBREジャパン ホテルズ、ディレクター土屋潔氏

 また、「国内では4スターや5スターのアッパークラスホテルは50件ほどしかなく、現状での供給はビジネスホテルなどの宿泊主体型が87%を占め、アッパークラスのフルサービスホテルはたった5%しかない。だからこそ、価格競争になりかねない従来型の宿泊主体ではなく、インバウンドのニーズに応えられるアッパークラスホテルがこれからはブルーオーシャンになるだろう」と土屋氏は説く。

 アッパークラスホテル同様に、ここ数年で話題に上ることも多い「ブティック・ライフスタイルホテル」は、画一的ではない付加価値を提供するホテル。独創的なコンセプトに基づき、高いデザイン性を持ち、宿泊にとどまらないロビーエリアなどで交流イベントもできる。外資系で言えばアンダーズ、IHGのホテル・インディゴやキンプトン・ホテルズ&レストランツといったブランドが相当する。海外ではこうした大手ホテルチェーンに属さないブランドも多数あり、2019年末に京都でアジア初オープンする「エースホテル」を筆頭に、今後は積極的な国内展開も予想される。

 ブティック・ライフスタイルホテルの宿泊価格は2〜5万円以上で、宿泊客の満足度という観点では、マズローの欲求段階説と重ねると、自己実現を達成できるホテルと位置付けられる。逆に言えば、他のホテルには無い付加価値が提供されることによって、高い客単価が狙えるともいえる。


ブティック・ライフスタイルホテルの位置付け

 最後に2030年に向けて、土屋氏は、「全世界の海外旅行者数は年々増えており、2017年は13.6億人だた。交通輸送機関の充実や中間所得層の広がり、とくにアジア・パシフィックは伸びている。さらに、これらからは2019年ラグビーW杯、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2025年大阪・関西万博、2027年のリニア中央新幹線の開業、さらには;まだ場所は決まっていないが、統合型リゾートといった宿泊需要を後押しするイベントが多数ある」と期待語った。


2030年に向けてブースとする宿泊需要

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