“コワーキングオフィス”の開設面積2017-18年で過去17年間超え、2020年はオフィスビル大量供給で発展期へ:CBREが都内の“コワーキングオフィス”を独自調査(1/3 ページ)
事業用不動産サービス・投資企業のCBREは、ここ数年都内の賃貸オフィスビルで増加している共働ワークスタイルのオフィス「コワーキングオフィス」にスポットを当てたメディアセミナーを開催した。コワーキングオフィスを新たな働き方のプラットフォームと位置付け、現状と今後の見通しについて解説した。
CBREは2018年9月27日、「コワーキングオフィス 〜新たな働き方のプラットフォーム〜」と題したメディアセミナーを東京本社(東京都千代田区丸の内)で開催した。
セミナーでは、CBREのワークプレイスストラテジー(WPS)部門が2018年4〜8月の4カ月間、延べ255時間にわたり、都内33カ所のコワーキングオフィスを調査したレポートを2部構成で発表。第1部はリサーチ アソシエイトディレクター・五十嵐芳生氏が、現在のコワーキングオフィス市場の特徴とオフィスビルとの相関関係などを解説した。
続く第2部では実際にマーケット調査を主導したWPS ディレクターのリトー・ルホン氏が調査結果を基に、コワーキングオフィス利用のメリットとデメリットを紹介した。
東京都内のコワーキングオフィスは、6.6万坪/346拠点
第1部で五十嵐氏は、「コワーキングオフィスは法律上の規定も無ければ、業界の統一された定義も存在しない。コワーキングオフィスと称する施設を見渡しても、空間づくりやサービスは多岐にわたる。曖昧であるが故に実態が把握されていないのが現状だ。さまざまなフレキシブルオフィスとの比較から定義を導き、市場を読み説いていく」とセミナーの意義を語った。
CBREでは、コワーキングオフィスを「異なる企業に属する者または個人が共通の場でオフィス設備をシェアし、利用者同士のコミュニケーションを促進するハード・ソフトの仕組みが構築されているワークスペース」と定義。他のフレキシブルなオフィスとの違いは、利用者同士の交流を促す機能を有して、コミュニケーションに重点を置いていることが異なる。
東京都内の市場規模をみると、2018年9月時点で345拠点、面積にして6.6万坪。これは東京23区の賃貸オフィス全体の面積でみれば、わずか1%ほどでしかない。しかし、東京23区内の開設面積と開設数は、2010年以降増加傾向にあり、とくに2017/2018年は飛躍的な成長を遂げ、わずかこの2年で2000〜2016年の17年間に開設された面積を上回った。
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