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交通事故の兆候を見逃さない「生成AIの目」 NTTがインフラ監視の検知距離を3倍に:スマートメンテナンス(2/2 ページ)

NTTは、AIの画像解析を用いた道路監視などで、4K映像を縮小せずに検知可能距離を従来比3倍以上に拡大する映像監視技術を開発した。独自の「超高精細映像AI推論LSI」で状況判断に必要な情報だけを生成AI技術の視覚言語モデル「VLM」へ渡し、遠方の小さな対象も見落とさない高精度かつ省電力なインフラ監視が実現する。

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VLMへのデータ送信量やトークン処理量を減らし、コスト削減や省電力も実現

 実証実験では、高速走行する車両の衝突や停止など、事故発生の瞬間を含む1分間(1800フレーム)の4K映像を用いた。従来のVLMへ直接入力する方式では、画像縮小のため、対象車両が潰れ、事故を検出できなかった。今回の新技術では、停止車両を高精細に検知し、周辺車両の状況などと合わせてVLMに渡すことで、正しく「事故に該当する状態異常」と判断することに成功した。

実証実験の評価結果
実証実験の評価結果 提供:NTT

 また、危険事象が発生した時のみVLMを起動するイベントドリブン処理(イベント駆動制御)で、VLMそのものの実行回数を1800回からわずか34回へと、約98.1%の大幅な削減を実現した。そのため、クラウド側にあるVLMへのデータ送信量やトークン処理量を劇的に抑え、通信コストや監視システム全体の消費電力を低減する。エッジ側で常時稼働するLSI自体の消費電力も20ワット以下と小さく、省電力で運用できる。

PoCシステムでの処理フロー詳細
PoCシステムでの処理フロー詳細 提供:NTT

 発表会で本技術の実装イメージについて、NTTデバイステクノロジーセンタ コンピューティングデバイスプロジェクト担当部長 鵜澤寛之氏は、「カメラのような末端デバイス(エッジ)に直接搭載するパターンの他、PCに装着できるPCIeカード形式なども計画している」と説明。また、高精細なまま物体を捉えられる特性を活用し、「路肩のポール設置数検討といった道路用途だけでなく、ドローン監視やオープンカーの乗車確認など幅広い分野への応用が見込める」と有用性を語った。

 NTTは本技術を、高精細映像から後段の解析や判断に必要な情報を効率的に抽出/伝達する「生成AIの目」と位置付け、監視分野の高度化を推進していく。

 2026年11月18〜20日にNTT武蔵野研究開発センタで開催する「NTT R&D FORUM 2026」で動態展示する。その後、NTTイノベーティブデバイスを介して、2026年度内に今回のLSIを搭載したエンジニアリングサンプル製品の提供を開始する。

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