東京建物、ビル管理を「点」から「面」へ AI活用の新拠点「BASE YNK」開設:FM(1/2 ページ)
東京建物と東京不動産管理は、複数のビルをチームで管理する新拠点「BASE YNK」を開設した。AIや3Dビューアなどを活用して設備情報や対応ノウハウを共有し、担当者への業務集中や管理品質のばらつきといった課題の解消を図る。将来的には25人で40物件の管理を目指し、ビル管理の効率化と人材育成、働き方改革を一体で進める。
東京建物と東京不動産管理は2026年9月16日、複数の建物を横断的に管理するビルメンテナンスセンター「BASE YNK(ベース インク)」を東京都中央区に開設し、実証運用を開始した。八重洲/日本橋/京橋(YNK)エリアの4物件を対象に、複数棟をチームで管理する多棟管理とビル管理DX、働く環境の刷新を組み合わせ、ビル管理の属人化解消や管理品質の平準化、人材育成を図る。
BASE YNKはNTA日本橋ビルの地下1階に位置し、施設面積は177.44平方メートル。JR東京駅から徒歩3分の立地だ。開設時の管理対象は、東京建物八重洲ビル、東京建物日本橋ビル、東京建物八重洲さくら通りビル、東京建物八重洲仲通りビルの4物件。今後は点検や検針を含む多棟管理の運用データを収集し、管理体制や業務の進め方を検証する。将来はBASE YNKで25人体制、40物件の管理を目標とする。YNKエリアでの実証を踏まえ、他エリアや東京建物グループ外の物件への展開も視野に入れる。
「1棟1担当」から、複数棟をチームで管理
東京建物 ビルマネジメント第一部長 大柄光司氏は、今回の取り組みについて「建物は造って終わりではなく、完成してからが本当のまちづくりだ」と説明する。開発/運営を担う東京建物と建物管理を担う東京不動産管理が連携し、建物の管理体制を見直すことで、建物とまちの価値を長期にわたり維持/向上させる狙いがある。
YNKエリアでは2026年9月に開業した「TOFROM YAESU TOWER」をはじめ、大規模な再開発が進んでいる。建物の複合化や大型化に伴って運営管理の重要性が高まっている。一方、エリア内には中小規模のビルも数多く存在する。大柄氏は、エリア全体の価値を維持するには、こうした物件を含めた管理体制の充実が欠かせないと指摘した。
ビルメンテナンス業界では、人材不足や従事者の高齢化、ノウハウの継承が課題となっている。大柄氏は「新しい技術を導入するだけでは十分ではない」とし、人員配置や役割分担、情報共有、人材育成、働く環境を含めた管理体制の再設計が必要だと強調した。
また、AIやデジタル技術について「人を減らすためではなく、積み重ねてきた経験とデータの力を組み合わせ、人がより力を発揮できるようにするための手段だ」と説明。「最終的な判断も現場の対応も担うのは人」と述べ、管理品質の向上と若手社員の育成、働きやすい環境の整備を目指す考えを示した。
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