熊谷組、現場溶接ロボットをスーパーホットコラムに適用:ロボット
熊谷組は、鉄骨溶接作業の省人化/省力化と施工品質の安定化を目的に開発し、検証を進めてきた現場溶接ロボットを、施工中の建築工事現場で、熱間成形角形鋼管「スーパーホットコラム」の現場溶接に適用した。
熊谷組は2026年10月5日、施工中の建築工事現場で、熱間成形角形鋼管「スーパーホットコラム」の柱継手部に、現場溶接ロボットを国内で初めて適用したと発表した。実工事における施工を実現し、現場溶接ロボットの新たな適用領域を開拓した。
熊谷組は、鉄骨溶接作業の省人化/省力化と施工品質の安定化を目的に、小型可搬型の現場溶接ロボットの実用化を進めている。要素試験や実大試験体による施工実験を重ね、溶接条件や施工品質、溶接時の現象を検証してきた。
今回対象としたスーパーホットコラムは、熱間成形で製造される建築構造用角形鋼管で、コーナー部の曲げ半径がR=2.0トンと他のコラム部材に比べて小さい。この形状に現場溶接ロボットを適用するには、コーナー部を含めて安定した溶接施工を行うことが技術的な課題だった。
熊谷組は溶接条件や施工方法を検討し、実工事への適用につなげた。現場では建方後の柱継手部にロボットを設置し、実際の現場条件下で溶接施工を実施した。発表時点でスーパーホットコラム7本以上の施工を完了している。
施工後は対象の溶接部に超音波探傷検査(UT)を実施し、所定の検査基準を満たすことを確認した。要素試験や実大試験体での技術検証から実工事に移行し、施工から品質確認までを実施したことで、適用範囲の拡大に向けた知見を得たとしている。
工事ではスーパーホットコラムに加え、板厚63ミリの極厚ボックス柱でも現場溶接ロボットによる施工を実施した。実験では板厚70ミリの部材を使用している。
板厚が大きい鉄骨部材は、板厚の増加に伴って溶接量や溶接パス数が増え、溶接技能者の作業負担も大きくなる。熊谷組は極厚部材へのロボット適用により、技能者の負担軽減に加えて施工品質の安定化や生産性向上の効果を見込む。
スーパーホットコラムと極厚ボックス柱の双方で施工したことで、異なる柱形式や板厚条件に対する施工実績を蓄積し、現場溶接ロボットの適用範囲をさらに広げるための知見として活用する。
熊谷組は今回の施工実績を基に、現場溶接ロボットの実用化と普及を進める。今後は適用できる材種や板厚、継手条件を拡大するほか、ロボットの設置/移設作業の合理化や施工時間の短縮、複数台運用について検討する。
さらに、溶接技能者とロボットがそれぞれの特長を生かして協働する施工体制の構築を進め、技能者の作業負担軽減や施工品質の安定化、省人化、生産性向上を図る。
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