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三菱電機の給湯機事業を支える群馬工場 エコキュート累計約260万台の生産ラインを見学製品動向(1/4 ページ)

三菱電機の給湯機事業を担う群馬工場では、エコキュートや電気温水器を中心とした給湯システムを製造している。2025年4月時点で累計生産台数は約700万台、エコキュートだけでも約260万台を達成する見込みだ。その製造ラインを間近に見れる視察会で、給湯機事業の歴史を振り返るとともに、実感型ショールーム「ユクリエ」で普及が進むエコキュートの最新機能を体感した。

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 2050年のカーボンニュートラル達成に向け、国全体で脱炭素の取り組みが進む現在。CO2冷媒の循環で大気中の熱を水に加えお湯を作り、CO2排出量が少ないヒートポンプ技術の「エコキュート」は、その優れた環境性能から他熱源給湯器や電気温水器からの買い替えで普及が進んでいる。経済産業省 資源エネルギー庁が推進する「給湯省エネ2025事業」をはじめ、政府もさまざまな補助金事業を推進している。消費者の省エネ志向の高まりも相まって、エコキュートの需要は年々伸び続けている。

 三菱電機は2025年4月17日、給湯機の主力生産を手がけている群馬工場で、工場視察会を開催。工場内の製造ラインや実感型ショールーム「ユクリエ」の見学で、エコキュートの重要性と今後の可能性を紹介した。

エコキュートの製造を行っている群馬工場外観
エコキュートの製造を行っている群馬工場外観 写真は全て筆者撮影

2017以降から年々需要拡大が続くエコキュート市場

三菱電機 静岡製作所(群馬工場内)群馬工場長 冨永尚史氏
三菱電機 静岡製作所(群馬工場内)群馬工場長 冨永尚史氏

 視察会の冒頭で群馬工場長の冨永尚史氏は、「当社は1964年に日本で初めて深夜電力利用の電気温水器を発表して以降、給湯機メーカーのパイオニアとして60年以上にわたって、業界をけん引してきた。今後のカーボンニュートラル達成に向け、給湯機の分野から貢献し続けていきたい」と力を込めた。

 給湯営業統轄部長の遠藤一隆氏は、エコキュートを取り巻く世の中の動きについて紹介。従来のエコキュートは、電力料金の割安な夜間に沸き上げ、価格を抑える仕組みだったものの、近年は再生エネルギーの需要増加もあり、太陽光発電による昼間の余剰電力を活用するケースが増えてきているという。そのため、各電力会社で昼間の料金を安くするプランを新設し、三菱電機でも対応を進めているそうだ。「環境への意識が高まっている昨今、よりエコキュートの需要は高まっていく。今後の社会動向を踏まえても、成長性の高い商材といえる」と遠藤氏も胸を張る。

2017年度以降、エコキュートの需要は年々伸び続けており、今後も伸長が期待されている
2017年度以降、エコキュートの需要は年々伸び続けており、今後も伸長が期待されている 提供:三菱電機

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